会社を辞めて独立するときの10の心構え

富永恭子 (ロビンソン) 2011年06月20日 12時38分

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 「独立したい」という気持ちはあっても、それによって生じるマイナスの要素を想像し始めると、不安は尽きない。その重さに打ち勝つ最大の力が「動機」だ。そして、それが「信念」にまで高められれば、独立を決断する勇気やそれを準備するパワー、その後の日々への自信につながる。

 しかし、独立志向が強い人でも、思い込みだけで独立を決めていたなどという場合もある。また、勢いで退社し、準備が間に合わずに、最初からつまずいてしまうこともある。

 今回は筆者の経験から、独立する際に冷静沈着かつ効率的に行動できるようにするための10の心構えを挙げてみたい。

#1:まず、独立動機を自己分析する

 独立しようと思ったら、まず、自分の独立動機の強みと弱みを分析することが必要だ。独立動機は、大きく「社会変革型」「アイデア実現型」「技術活用型」「独立志向型」「成行き型」の5つのタイプに分けられる。それぞれのタイプの強みと弱みを確認しておこう。

 社会変革型は、強い「社会的な使命」に突き動かされて起業するタイプで、その分「思い」が強い。また、そのピュアな思いに賛同する仲間には恵まれまる。ただし、理念ばかりが先行して、収益モデルや会社の仕組みをあまり考えていない場合、立ち上げたはいいが、たちまち経営難に陥ることもある。社会的な価値があることと、経営として存続できることは違う。現実は厳しい。

 アイデア実現型は、自分の発想を事業にしたいタイプ。典型的なのは「町の発明家」だ。アイデアは面白いし、特許や実用新案を取得できるかもしれない。ただし、マーケットでそれが競争優位にあるかは別問題だ。また、アイデアだけだとマネされればそれまでだし、流通やコストなど、マーケティングが伴わなければ成功は難しい。

 技術開発型とは、自分が保有する技術で起業を考えるタイプ。典型的な例は大学発ベンチャーだ。たしかに技術はすごいのだが、そのままでは、実用化するための「用途開発」に欠けることがある。また、高度な技術ほど、事業化されるまでには長い時間がかかったりする。期待されながらも、途中で他の新技術に追い越されてしまい、日の目を見ないで消えていく技術も少なくない。

 独立志向型は、「サラリーマンで終わるのは嫌だ! 自立したい!」と、とにかく独立するのが目的のタイプ。自己実現型と言ってしまってもいいかも知れない。ただし、アイデアも技術も理念もなく、独立したいだけでは単なる金儲けになってしまう。また、そこに寄ってくる人も自分の金儲けが目的の人たちばかりだ。金だけの繋がりでは、事業は大きくなっていかないもの。そこには理念が必要だ。

 成行き型には、第2創業とか2代目創業など、起業の他に選択肢がない人たちが含まれる。または、事の成り行きで社長になってしまったという人も少なくない。さらには、個人的にスキルはあるが、それを生かせる環境に恵まれていないとか、リストラや勤務先の倒産などの憂き目に遭った時点で一定以上の年齢に達していて希望する転職が望めない、といった人も含まれる。いわば、独立の経緯としては消極的なタイプだといえるが、彼らには引き返すところがないため、一度腹を決めると後には引けないが故の強さがあったりする。

#2:自分の資源を認識する

 独立を実現するための資源であると同時に、独立を継続させ、事業を発展させていくための資源、つまり自分が独立に有利などんな「資源」を持っているのかを認識することが必要だ。

 もっとも、それは文字どおり「資源」であって、そのままの状態では役に立たない。たとえば、何らかの資格やスキルがあるだけではダメで、その資格やスキルを、どのように、どこで、いつ使うのか、といったプランがあって、初めて資源は生きてくる。

 また、大したことのないように思われる資源でも、それを投入する市場との相性が良ければ効果は大きい。独立後の自分の武器とするためにも、自分の資源はよく把握しておくべきだ。

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