東京電機大学が関東3拠点のIT基盤を統合し、プライベートクラウド環境を富士通のデータセンターに構築した。サーバを6割削減するとともに、IT管理の効率化と安定化、災害対策の強化を図る。富士通が10月20日に発表した。
東京電機大学は、7月から新システムの構築を開始したという。今後、2012年3月までにシステムを順次移行させ、4月の新学期には本格的な運用を開始したい考えだ。その後、調整などを経て10月に本稼働を開始させる。
富士通によれば、従来19台必要だったサーバを8台まで削減したという。なお、後述する統合ID管理システムなどは旧システムで稼働しておらず、新環境で稼働するシステムは従来よりも増加しているという。
今後はプライベートクラウドを活用して、10月に新図書館システム、2012年4月に統合ID管理システムと出席および教室管理のウェブシステムを稼働させる。東京電機大学では、2012年4月に東京千住キャンパスの開設が控えている。

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新図書館システムでは、磁気テープからICタグ(RFID)による管理に切り替え、利用者の利便性の向上と職員の作業負担軽減を目指す。また、富士通の学術ポータル「Ufinity」を導入し、学生や教職員だけでなく地域住民にもさまざまな情報を提供していく考えだ。
統合ID管理システムには、富士通が大学向けに提供している統合ID管理パッケージ「UnifIDone」を採用。これにより、従来よりも大規模なIDの配布と生涯IDベースでの管理、全システムの認証方式の統一が可能になる。
東京電機大学によれば、現在の発行IDの総数は約1万5000。統合ID管理システムも1万5000IDの管理から始めるが、累積20万人の卒業生にも順次配布する。また4月からは、教職員、学生、派遣社員やアルバイト、卒業生、図書館利用者などの外来者、取引先業者など、関係者に東京電機大学関係者ID(TDU-ID)を付与、一元管理を開始する。
出席および教室管理では、在館(居場所)管理、出席管理、来客管理、施設予約管理など複数の管理システムを低コストで構築するため、富士通の「RapidWeb+」を採用している。
サーバ統合による消費電力の低減に加え、富士通のデータセンターのファシリティによる省エネ化によって、CO2排出量を年間18トン削減できると見込んでいる。