IDC Japanは11月7日、国内クライアント仮想化市場規模の予測を発表した。2011年の同市場は前年比30.1%増の2463億円となり、2015年には6754億円まで拡大し、2010~2015年の年間平均成長率(CAGR)は29.0%で推移していくと見ている。
2011年の法人向けクライアント端末での仮想化率は16.5%、2015年には38.4%まで到達すると予測している。2011年下半期(7~12月)からは事業継続性や災害対策、在宅勤務などの需要から法人向けクライアント環境での仮想化の実装は高まっていくとしている。
国内のクライアント仮想化ソフトウェア市場の2011年上半期の出荷ライセンス数は前年同期比24.0%増の44万6725ライセンスになったという。2011年通期では前年比25.7%増の92万8268ライセンス、2015年には254万4858ライセンスまで増加すると予測している。2010~2015年のCAGRは28.1%とみている。デスクトップ仮想化の同期間のCAGRは63.9%という成長率で推移し、2015年には114万4682ライセンスに達して、クライアント仮想化の中で45.0%の割合になるとみている。
2011年上半期の国内シンクライアント専用端末の出荷台数は、前年同期比16.0%増の9万8996台となった。2011年通期では前年比13.5%増の20万6166台、2012年は前年比34.7%増の27万7668台、2015年には44万8782台に達して、ターミナルクライアント、シンクライアント化端末とあわせて54万台を超えるとみている。シンクライアント専用端末の2010~2015年のCAGRは15.6%と予測している。
2010年は実績値、2011年以降は予測。法人向けクライアント端末はPC、シンクライアント専用端末、ターミナルクライアントを含む
IDC Japanの渋谷寛氏(PC、携帯端末&クライアントソリューションシニアマーケットアナリスト)は「事業継続性や災害対策などを含めユーザー企業の考えるべき課題は山積し、企業戦略におけるITの役割がますます重要になる傾向にある」と説明。その上で「企業に蓄積されたIT資産活用に仮想化技術を活用して、IT稼働率を向上させることが求められている」とコメントしている。