GNUとLinux
Stallman氏は1983年にフリーソフトウェアのOS「GNU(GNU Is Not Unix)」を発表した。GNUは1992年に完成したが、カーネルだけが未完成であった。これを解決したのが、当時フィンランドの学生だったLinus Torvalds氏だ。
「Linuxカーネルは、GNUシステムに残されていた最後のギャップを埋めた。多くの人がLinuxというが、GNU+Linux、またはGNU/Linuxと呼んでほしい」と来場者に呼びかけている。
Linuxは、ソースコードを公開しコミュニティで開発するというモデルへの注目を集めた。しかし、その後の「オープンソース」人気についてはStallman氏の心境は複雑なようだ。
「倫理的な問題よりも実用的な部分に興味がある人々が、われわれの取り組みを利用して“オープンソース”という言葉を使うようになった。だが、定義はフリーソフトウェアと完全に一致せず、最も重要な部分——倫理レベルでの問題を完全に無視している」と述べ、「私自身は、オープンソースという用語と関連付けられることを拒否する」と言い切った。
フリーソフトトウェアの挑戦——著作権問題
スピーチの主題となった著作権問題は、数年間にわたって考え続けたテーマだ。Stallman氏は過去にフリーソフトウェアに関するスピーチした後で、同じ考えを他のこと(たとえば出版や公開される作品)にもあてはめることができるか、何度か質問されたからだ。
次回(12月22日掲載)は複製技術の進化や著作権の変遷を踏まえつつ、氏が「デジタル手錠」と呼ぶ制限技術と電子書籍に関する発言を紹介する。
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