シャープは経営管理システム「経営コックピット」にインメモリソフトウェア「SAP HANA」を採用した。SAPジャパンが1月25日に発表した。
経営コックピットは、世界60カ国以上の拠点から提供される売り上げや経営情報を役員や管理部門長が一目で把握できる経営管理システム。シャープの経営システム担当部門であるITシステム推進センターは経営コックピットについて「世界各拠点の経営情報を集約し、瞬時に把握して次の戦略の裏付けになるデータを取得できるシステムの構築を模索していた」という。従来型データベースの経営コックピットでは「バッチ処理と時差の関係もあって、世界の管理情報を収集するには2日間を要していた」と説明している。
HANAの導入を検討して、既存システムを再現した実証実験の結果から「グローバルに時差も関係なく、リアルタイムの全拠点情報収集、大量データの瞬時検索、従来できなかった複雑な検索ができることを確認した」という。「これはインメモリソフトウェアという革新的な技術で情報革命であり、ビジネススタイルの変革に大きく貢献する」とその意義を強調している。
シャープの経営コックピットはSAPの統合アプリケーション基盤「SAP NetWeaver」をベースに、フロントツールとしてAdobe SystemsのRich Internet Application(RIA)の「AIR」を活用している。HANAは2011年10月にSAPのデータウェアハウス(DWH)ソフトウェア「SAP NetWeaver Business Warehouse」がサポートするデータベースになっている。