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振り返れば、NECカシオモバイルコミュニケーションズがスタートした時点で、同社は2012年度に年間1200万台という計画を打ち出していた。それには遙かに及ばない状況にある。従業員数が変わらず、出荷台数が大幅に減少しているのだから、業績が悪化するのは当然である。
そして、携帯電話事業の構造改革への着手が遅れたことに加え、スマートフォンへの参入が遅れたこと、想定していた海外事業展開で成果が出なかったことなどが重なり、ボリュームを確保できずに収益を悪化させていたともいえる。
遠藤社長は「市場に対する見込み違いに加えて、製品力のなさが見えた。NECの強みは技術力。これを生かして、製品力を高めることにもう一度取り組まなくてはならない。そして、ボリュームを確保するという点では、様々な形でパートナーシップを模索する必要がある。変化の激しい市場において、十分な注意を払いながら、方向感を探っていく」と、携帯電話事業の方向性について語る。
NECは、今回の構造改革において「ITサービス」「キャリアネットワーク」「社会インフラ」の3つを軸に据えるほか、新規事業としてエネルギー事業を新たな柱に据える方針を打ち出した。
だが、基本的な姿勢は「現状の売上高レベルでも安定的な収益をあげる効率的な事業運営」(遠藤社長)である。
成長戦略は、ひとまず「棚に上げる」というのが今回の方針。だが、2000年度の5兆4000億円の売上高をピークに、事業規模を縮小させ続けているNECにとって、ここが踏みとどまらなくてはならない最終ラインだともいえる。
かつて、ほぼ同じ事業規模を誇っていた富士通は、2011年度計画として売上高4兆5400億円を目指しており、その差は大きく開いた。そして、電機大手8社で最下位となるシャープの2兆8000億円との差は縮まってきている。
「営業利益率をしっかりとあげていくことが必要。ここで、営業利益率5%の力をつけていく」と遠藤社長は語る。この体質をいかに短期間で作りあげることができるかが、今後の成長戦略を作り上げることができるかどうかの瀬戸際だといえる。
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