日本オラクルは4月4日、東京・六本木ヒルズを中心に3日間にわたるユーザーカンファレンス「Oracle Open World Tokyo 2012」を開幕させた。JavaOne Tokyo 2012も同日から2日間の予定で開催する。初日から、IaaS(Infrastructure as a service)型クラウド構築のためのソフトウェアやパフォーマンス管理の新製品 を発表。基調講演でも、来日した米Oracleのプレジデント、マーク・ハード氏が「データの爆発的増加とIT環境の単純化」を強調するなど、テクノロジー色が強い印象だ。
米Oracleのシステムズ担当上級副社長、ジョン・ファウラー氏
4日の基調講演は「ENGINEERED FOR INNOVATION 技術の融合が世界を変える」をテーマに、マーク・ハード氏に加え、米Oracleのシステムズ担当上級副社長、ジョン・ファウラー氏、同チーフコーポレートアーキテクトのエドワード・スクリーベン氏が登壇。経営層の意思決定におけるビジネスアナリティクスの重要性や、Sun買収後も製品開発を続け、ソフトウェアとハードウェアを融合したことによるオラクル製品の処理の高速さなどをアピールした。
基調講演後の記者会見では、スクリーベン氏がオラクルによるクラウド環境「Oracle Public Cloud」に触れ、アプリケーションやプラットフォームに加え「ミドルウェア領域でもクラウドサービスを提供していく」と話している。また、初日の最終セッションには「日本の歩む道」をテーマに、元首相の小泉純一郎氏が登場する。
チーフコーポレートアーキテクトのエドワード・スクリーベン氏
5日の基調講演には米Oracleのラリー・エリソンCEOが登場する。残念ながら、来日はしているものの遠隔地からのサテライト講演になる予定だ。講演テーマは「Extreme Innovation」。
最終日の6日の基調講演には、米Oracleのシニアバイスプレジデント、アンソニー・ライ氏が、先日日本でもリリースした「Oracle Fusion Applications」とそのクラウド提供について話す予定になっている。
Oracleが買収した、PeopleSoft、JDEdwards、Siebel Systemsなどのアプリケーションベンダーの製品ラインから「いいとこ取り」をして製品化したのがFusion Applications。「2008年にリリースする」とした当初の宣言から時間が経過した今、アプリケーションとしての出来栄えやユーザーにとっての利用価値などを確認したい。クラウド経由での提供についても、詳細が気になるところだ。
セッション数は合計で173。JavaOneも53と多数に上る。買収戦略によりOracleの製品ラインは多岐にわたっており、企業向けITの動向をつかむ上では参考になるイベントといえる。ZDNet Japanでは特集「Oracle Open World Tokyo 2012」でイベントの模様を伝えていく。