米Oracleは4月4日、ビジネスインテリジェンス(BI)ソリューション「Oracle Business Analytics」の強化を発表した。オンプレミス、クラウド、モバイル端末に導入することで、構造化データと非構造化データの違いを問わずに、ファイアウォールの内部と外部の両方に存在するあらゆるタイプのデータを対象にさまざまな分析ができるようになるという。
Business Analyticsは、80以上のBIアプリケーションと企業業績管理(EPM)アプリケーション、BI基盤技術、「Oracle Exalytics In-Memory Machine」「Oracle Exadata Database Machine」「Oracle Big Data Appliance」といったEngineered Systems製品で構成されている。
今回の強化策では、EPMアプリケーションの新版「Oracle Hyperion Enterprise Performance Management(EPM)System 11.1.1.2」が加わる。「Project Financial Planning」「Account Reconciliation Manager」「Profitability and Cost Management」などの新しいアプリケーションモジュールが搭載され、Hyperion EPMのアプリケーション領域も全体で強化されているという。インメモリ技術を活用したBI専用機のExalyticsへの検証が完了しており、これまでにない性能を発揮できるとしている。
Project Financial Planningは、プロジェクトに基づく予算編成や資金調達、承認、認証を実行できるモジュール。事前定義型のこのモジュールを活用することで、統合基幹業務システム(ERP)のプロジェクト機能やプロジェクト実行アプリケーションへの投資を補完できるという。主要プロジェクトやプロジェクトのポートフォリオの財務面でのパフォーマンスを向上させられるとしている。
Account Reconciliation Managerは、会計照合管理機能を担うモジュール。決算プロセスを合理化して、監査リスクと関連コストを削減できるという。Profitability and Cost Managementは、詳細な利益モデリングをサポートして、詳しい原価計算を実行する。加えて製品や顧客、取引について詳しい洞察を得ることができるとしている。
Hyperion EPM Systemの新版では、財務管理アプリケーションの「Oracle Fusion Financials」「JD Edwards EnterpriseOne Financials」、「PeopleSoft Commitment Control」と統合できるようになっている。管理プロセスや業務プロセスの統合を簡略化できるとしている。
Business Analyticsの強化では、SAP製アプリケーションに対応したBIアプリケーションとして「Oracle Spend and Procurement Analytics」「Oracle Supply Chain Management Analytics」「Oracle Financial Analytics」が追加されている。
これとは別のBIアプリケーションとして「Oracle Manufacturing Analytics」「Oracle Enterprise Asset Management(EAM) Analytics」も追加されている。Manufacturing Analyticsは製造業での、EAM Analyticsは資産管理のためのインメモリ分析アプリケーションになる。メーカーやエネルギー生産、公益事業、そのほかの資産集約型産業を対象にしている企業は、より高いレベルの状況把握が可能になり、ビジネスに沿った速度で意思決定できるようになるとしている。
Business Analyticsの強化として、「Oracle Endeca Information Discovery」製品が提供開始となっている。企業向けデータディスカバリ基盤の同製品は、モデリングなしに構造化データと非構造化データを組み合わせられるため、未知の問題や予期しない問題に対応できるという。