編集部からのお知らせ
ZDNet Japanが新しくなりました!
New! 懸念高まる産業機器のセキュリティ

エネルギーの『見える化』が生み出すデータセンターの効率化:第4回--データセンター全体に対する仮想化の影響

佐志田伸夫 シュナイダーエレクトリック株式会社

2012-06-07 12:30

シュナイダーエレクトリック株式会社 取締役の佐志田伸夫氏が執筆する特集「エネルギーの『見える化』が生み出すデータセンターの効率化」。

今回は、第3回で解説した「仮想化」がデータセンターで引き起こす課題について、より詳しくみていきます。(ZDNet Japan編集部)

データセンターの温度がダイナミックに変動

 データセンター全体では、多数のサーバやストレージ機器が同時に運転しているので、各機器の動作状態(=サーバの上で動作しているアプリケーションやデータトラフィックの状態など)により発熱量・発熱場所がダイナミックに動きまわり、また、それに応じて冷却ファンの回転数も制御されるため、冷却風量も変動します(図1)。

 例えば、検索エンジンのような用途でアクセスが集中し、データトラフィックも増えたとします。これに対応するために、検索エンジンを収容しているデータセンターでは、サーバのCPUの使用率が上昇し、仮想化で(アイドル状態になって)停止していた物理サーバも運転を始めます。するとその部分の発熱量が増え、それに応じてデータセンター内を循環する冷却風量も増やす必要が出てきます。逆にアクセスが減るとCPUの使用率が下がりますが、仮想化により業務が統合された物理サーバでは発熱量が増え、一方アイドル状態になった物理サーバでは発熱量が低くなります。

 つまりデータセンターの運転状態によって、内部での消費電力(=発熱量)と冷却風量は場所的にも時間的にもダイナミックに変動し、それに従って温度も変動します。

 従来のデータセンターの空調システムでは、実はこのようなダイナミックな変動は想定していませんでした。通常データセンターでは、室内に吹き出す空気の温度が一定になるように温度制御し、風量も一定になるように制御します。インバータで風量制御する場合にも、風量の設定値は一定です。つまり、空調機など設備の消費電力は内部のIT機器の運転状態に関わらず一定でした。従って、サーバ単体では省エネ制御が導入されたとしても、データセンターの設備部分については省エネ化されないために、かえってPUEが悪化していました。

 既設のデータセンターを仮想化する場合には更に大きな問題となります。不要になった分の物理サーバを撤去すれば、データセンター全体としてはオーバーサイズになります。しかし細かく中を見ると、高密度で発熱する場所と全く発熱の無い場所とが混在することになってしまいます。それに対して、既設の設備では効率的に対応することが難しくなります。

 次回は、IT機器の省エネを行う場合に、データセンター全体の省エネを進めるための注意点について解説します。

参考資料:
シュナイダーエレクトリック株式会社 ホワイトペーパー
#118 仮想化:電源および空調の最適化によって最大限のメリットを実現
グリーン・グリッド ホワイトペーパー
#27 仮想化がデータセンターの物理インフラストラクチャに与える影響

佐志田伸夫氏
著者紹介:

シュナイダーエレクトリック株式会社 取締役 佐志田伸夫
技術士(電気電子部門)

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

Special PR

特集

CIO

セキュリティ

スペシャル

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]