米Oracleは米国時間6月6日、パブリッククラウドサービス「Oracle Cloud」の提供を開始した。2011年に開催したイベント「Oracle OpenWorld 2011」で発表されたものであり、提供開始にあたって名称が「Oracle Public Cloud」から変更されている。
Oracle Cloudは、データベース専用機「Oracle Exadata」とアプリケーション専用機「Oracle Exalogic」で稼働する。提供するサービスは大きく分けて「Oracle Platform Services」「Application Services」「Social Services」の3つになる。詳細な料金は明らかにされていないが、月額で利用できると説明している。
Platform Servicesでは、リレーショナルデータベース「Oracle Database」でデータの管理とデータベースアプリケーションを構築できる「Database Services」、アプリケーションサーバ「Oracle WebLogic」を使ったJavaアプリケーションの開発と展開、管理ができる「Java Services」が提供される。PHPやRuby、Pythonを使ってウェブアプリケーションを開発できる「Web Services」、アプリケーション開発者がコラボレーションをベースにしたアプリケーション開発が可能な「Developer Services」も提供される。
このほかに、「Mobile Services」「Documents Services」なども提供される。Mobile Servicesは、主要はスマートフォンやタブレットを対象にしたネイティブアプリとHTML5のクロスプラットフォームのアプリが開発できるという。Documents Servicesは、オンラインのワークスペースとポータルを通じて、プロジェクトチームによるコラボレーションとドキュメントを共有ができる。
Application Servicesは、ビジネスアプリケーションを提供する。「ERP Services」「HCM Services」「Talent Management Services」「Sales and Marketing Services」「Customer Experience Services」が提供される。ERP Servicesでは、統合基幹業務システム(ERP)の機能とガバナンス、リスク&コンプライアンス(GRC)機能も提供される。HCM Servicesは人事給与などの人事管理機能、Talent Management Servicesは人材管理機能がメインで提供される。
Sales and Marketing Servicesでは、販売計画やリード顧客管理、予測などの機能が提供される。Customer Experience Servicesでは、顧客情報システム(CRM)を中心にした機能が提供される。
Application Servicesはこうしたビジネスアプリケーションの機能とともに、各システムごとにビジネスインテリジェンス(BI)機能が埋め込まれている。加えてソーシャルメディアの機能やモバイル端末対応機能などもあわせて提供される。
Social Servicesは企業向けのソーシャルネットワーク基盤を提供する。企業内にSNSを構築する「Oracle Social Network」、ソーシャルネットワークと企業内のデータソースからデータを集約して、ビジネスアプリケーションを充実させるという「Oracle Social Data Services」が提供される。
「Oracle Social Marketing and Engagement Services」はマーケティング担当者向けの機能になる。自社で展開するソーシャルメディア上で展開するマーケティングやキャンペーンを作成、公開、調整、測定といった機能が利用できる。同様にマーケティング担当者向け機能として「Oracle Social Intelligence Services」は、ソーシャルメディアを分析して、顧客サービスや営業チームが顧客や見込み客と効果的にかかわることが可能になるという。