IDCフロンティア、福島県白河市でデータセンター稼働--遅延は3.5ミリ秒前後

田中好伸 (編集部)

2012-10-01 18:31

 IDCフロンティアは10月1日、福島県白河市の「白河データセンター」の稼働が開始したと発表した。9月に完成している。

 敷地面積は約2万5000平方メートル。延べ床面積は1号棟が約5900平方メートル、収容できるラック数は約600。白河データセンターについてIDCフロンティアは、広大な敷地で拡張しやすい地方型データセンターの特徴と、郊外型データセンターと同等のネットワークレスポンスを併せ持つと説明する。

 ネットワークの伝送路を最短経路で設計し、中継ノードをできる限り少なくすることで、東京・白河間の遅延は3.5ミリ秒前後と東京近郊のデータセンターと同等の応答速度とメリットを強調している。大阪までの約3分の1、北海道や九州までの約4分の1、沖縄までの約10分の1と、物理的な距離に比例しない高速なネットワーク環境を提供するという。

 空調には、冷たい外気をサーバルームに取り込んで冷却する外気冷却方式を採用している。北九州市のアジアン・フロンティアでの運用を通じたノウハウを進化させている。データセンター内の排熱の上昇気流も利用しながら、湿度や温度に応じて全量の外気導入から内部循環まで、複数の空調モードをコンピュータで制御して自動運転。年間負荷の90%以上を外気での冷房を可能にしているという。電力使用効率(PUE)は1.2以下を目指している。

写真 白河データセンター1号棟(右側は管理棟)

 今後新たに需要が見込まれることから、2号棟を増設することも決めている。2号棟は10月中に着工し、2013年9月末の完成を目指している。今後も需要に応じてモジュールを追加して、敷地内に6棟以上の建設を予定している。2号棟とあわせて収容できるラック数は約1200。2号棟と管理棟を含めた延べ床面積は約1万4800平方メートルになる。

 白河データセンターの稼働で、大規模データセンターが首都圏、東日本、西日本の国内3拠点をバランス良くカバーすることになり、拡張余力の乏しい都市型データセンターからの大型移設需要に応える。同時に、万一の災害に備えた首都圏以外でのバックアップやデータの広域分散を実現していくと説明している。

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