朝日インタラクティブは、業務改革を推進するための基軸となるビジネスプロセス管理(BPM)をさまざまな角度から考察し、事例とともに実務への応用を探求する「ZDNet Japan BPM フォーラム」を10月12日、東京・千代田区で開催した。
テーマは「理論から実践へ 業務改革を達成するために」。基調講演には、元ローソン常務執行役員CIOで、現在はリガク取締役 常務執行役員を務める横溝陽一氏が登壇。「これからの日本企業に必須のBPMの要諦」と題し、CIOの在り方、情報の意味、自身が経験した業務改革の実例などに触れ、BPMの思想から構造、実際の取り組みまでを解説した。
横溝陽一氏
横溝氏は1979年に三菱商事に入社。米ベンチャーキャピタルへの出向などを経て、2001年に三菱商事全社のIT戦略を担当した後、2002年に米SCM大手の日本法人i2テクノロジーズ・ジャパンの社長に就任。2007年にはローソンに入社し、常務執行役員CIOとして次世代ITシステム導入と全社業務改革に従事した経歴を持つ。
企業がITを活用するにあたり、CIOの役割と重要性を横溝氏は強調する。
CIOの任務は、ITシステムの面倒をみることではなく、最新のITを用いて経営課題を解決する施策を自ら考えることであるとする。自分で考え、語り、行い、責任をもつという意味の「自考、自語、自行、自責の精神が重要だ」と述べた。実際、横溝氏はローソンCIOとして「まず経営課題は何かを考え、それをITで解決する施策を考え、IT戦略を経営戦略に進化させ、経営改革へ」と結びつけていった。
横溝氏は「BPMはビジネステクノロジーとしてのITであり、経営とビジネスを変革することが使命だ。既存のしくみをシステム化するだけでは十分ではない」として、技術に偏らず、常に経営課題にも軸足を置く姿勢が重要だと強調した。
横溝氏に続いて、日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 第2AP基盤ソフト設計部 担当部長の吉村誠氏が「効果に着目したBPMの考え方とそれに基づくクラウド/SOA適用」、NTTデータイントラマート クラウド推進本部 本部長の田中秀明氏が「ITによる効率化の限界を打破する--企業を成長させる“統合化”アプローチとは?」、そしてレッドハット JBoss サービス事業部 シニアソリューションアーキテクトの梅野昌彦氏が「ビジネスルール視点からのBPM構築〜ビジネス部門とIT部門の協業〜」について、SOAの適用、開発基盤、ワークフロー基盤、BPM基盤の統合、ビジネスルールなどの考え方を講演した。
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