ユナイテッドアローズ、ネットワーク基盤刷新--無線LAN効率化で店頭での接客対応を改善

田中好伸 (編集部)

2012-12-04 13:41

 アパレル大手のユナイテッドアローズは、スマートフォンやタブレットを利用した従業員間の円滑なコミュニケーションの推進と店頭での接客対応を改善するため、ネットワーク基盤としてシスコシステムズの無線LANとリモートアクセスのシステムを導入した。シスコが12月3日に発表した。

 ユナイテッドアローズでは、スマートフォンやタブレットを所有する従業員が増え、現場からもその利活用を求める声が高まっていたという。その中で中期的なIT戦略の柱としてワークスタイルの変革を掲げている。2009年末から社内のITシステムを刷新するネットワーク基盤構築を検討。時間や場所、端末にとらわれないコミュニケーションのスタイルを実現できるシステムと、それを支えるインフラの構築を進めている。

 今回のネットワーク環境の構築では、店舗で従業員が利用するスマートデバイスの接続数の大幅な増加、店舗全域での利用を前提に周囲のテナントなどからの電場干渉の影響を考慮。高品質で安全、全店舗とオフィスをカバーできる拡張性のある、管理性に優れた無線LAN基盤が必要と判断している。

 検討の結果、電波干渉を正確に把握できるとして「Cisco CleanAir」を搭載したシスコの集中管理型無線LANシステムの導入を決定している。すべての店舗とオフィスでの導入が完了し、稼働している。刻刻と変化する現場のトラフィック状況を本社から集中管理して的確に対応できるようになり、快適なユーザー体験を常時従業員に提供できていると説明している。ユナイテッドアローズが導入したのは以下の通り。

  • アクセスポイント「Cisco Aironet 3500 Series Access Point」
  • 無線LAN運用管理ツール「Cisco 5500 Series Wireless Controller 」
  • 無線LAN制御プラットフォーム「Cisco Wireless Control System」
  • ネットワーク基盤アプライアンス「Cisco 3300 Series Mobility Services Engine」
  • セキュリティアプライアンス「Cisco ASA 5520」
  • 統合型モバイルセキュリティクライアントソフト「Cisco AnyConnectセキュアモビリティ」

 AnyConnectを利用したリモートアクセスの展開を進めることで、汎用性とセキュリティを両立した、シームレスな利用環境を整備と説明。マネージャーが店舗を移動する時やバイヤーが海外のホテルなどアクセス制限の厳しい環境でタブレットを利用する場合でも、社内と同様に業務をこなせるとメリットを強調している。

 ユナイテッドアローズでは私物端末の業務利用(BYOD)の推進にも注力しており、今後、使い慣れた端末を業務に活用することで、業務効率の向上とさまざまなシーンでの従業員のユーザー体験の向上に取り組んでいくと説明している。

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