NECは11月7日、スマートデバイスをクラウド上で仮想化し、外出先で個人所有の端末から業務に利用できるサービス「NEC Cloud Smartphone」の販売を開始した。価格は個別見積もり。100ユーザーで360万円を参考価格として提示している。
Cloud Smartphoneは、スマートフォンなどの環境をクラウド上に仮想化して構築し、エンドユーザーは私物の端末から仮想のスマートフォンに接続して利用する。仮想スマートフォン上のアプリケーションやデータを利用するため、エンドユーザーの私物端末には情報を残さず利用できる。
エンドユーザーの端末には、画面情報だけが伝送される。データそのものは伝送されない仕組みとなっている。スマートデバイスの紛失や盗難があっても、情報が流出することはなく、個人所有端末の業務利用(BYOD)にも対応できるという。
プライベート時は個人の端末として、業務時はクラウドに接続して、業務用の仮想端末として利用することで、1台のスマートデバイスでセキュリティポリシーを完全に分離できると説明している。
社内のIP-PBXなどと連携することで、仮想スマートフォンから内線電話をかけることもできるという。外出先から内線電話を利用できるため、通話料も削減可能だ。電話帳や通話履歴などの閲覧、内線電話の発着信は、仮想スマートフォン上の通話アプリでできる。
仮想スマートフォンでは、スマートデバイスに搭載される、GPSや加速度センサなどの各種センサを利用したアプリケーションを仮想スマートフォン上で動作させることも可能。端末にアプリをインストールすることなく、位置情報を活用した業務アプリも利用可能になると説明している。
仮想スマートフォンに搭載するアプリは、音声通話やブラウザ、メールなどスマートデバイスに標準で搭載されるアプリを用意している。セキュリティ対策としてウイルス対策アプリやモバイル端末管理システム(MDM)などもオプションとして用意している。仮想スマートフォン上では、ユーザー企業独自の業務アプリケーションも利用できる。
サポートするOSはAndroid 4.0以上を推奨。iOSについては近日中の対応を予定。Windows Phoneにも対応することを明らかにしている。