米メジャーリーグ(MLB)のPittsburgh Piratesはデータを分析することでシーズンチケットの更新率を6%向上させたという。SAS Instituteが発表している。
SASはスポーツ業界向けに分析ソフトウェア「SAS for Sports」を提供している。Piratesは同ソフトウェアを活用して、観客の洞察と日常の統計情報を組み合わせることで、ファンが望むサービスを展開して、顧客からのロイヤルティを獲得しているという。
Piratesは、球場でのファンの体験を分析、加えてシーズン全体を通して収集されるファンのアンケート数千件も分析している。全体的な体験の評価と相関性が最も高いカテゴリの体験や満足度を特定するために、満足度の割合と実際の体験の比較を中心とした。
分析で「売店全体」「家族への配慮」「座席の雰囲気」「チケット購入体験」の各要素が、ファンの体験と最も相関性があることが判明している。これらの分野が最も注目すべきという結論を得ている。Piratesのビジネスアナリティクス担当シニア・ディレクターのJim Alexander氏が以下のようにコメントしている。
「売り上げを拡大すると同時に、ファンの体験も向上させることも注力している。複数ソースのデータに着目することで、14歳以下のファンを対象とした日曜日の景品、金曜日や土曜日にすべてのファンに提供される景品が必ずしも売り上げに直結しているわけではないと判断した。そして、すべてのファン向けのプレゼントの一部を日曜日に一本化することで、全体的な増収が見られた」
SAS for Sportsの予測モデリングやセグメンテーション、予測の機能を活用してPiratesが持つデータを分析することで、観客動員数と収益性の増大につながっていると説明。Piratesは、シーズンチケットを更新しない可能性が最も高い観客グループを特定することに成功している。
こうした情報を利用することで、販売担当者は離反の恐れのある観客に焦点をあわせることができ、結果としてチケットの更新率は前年シーズンと比較して6%向上したという。シーズンチケットの存在は、キャンペーンの基礎となるものであり、更新率の向上は大幅な増益につながると説明している。