日本たばこ産業(JT)はグローバルな統合IT基盤としてマイクロソフト製品を全面的に採用している。日本マイクロソフトが12月27日に発表した。
JTはタバコや医薬、食品が中核事業、2012年3月期の売上高は2兆338億円。関係会社19社を抱え、連結での従業員数は約4万9000人。120の国と地域で事業を展開している。
グローバルで事業を展開するJTでは、成長と国際規模での競争力を強化するために「グローバル化する従業員間のコミュニケーション環境の向上」「災害時の事業継続性の確保」「各国の市場ニーズを的確かつ迅速に捉えるビジネスインテリジェンス(BI)環境」の実現を目指していた。
同社では、マイクロソフトの世界での導入実績や共通のサポート体制、技術の標準化でのコスト削減効果などを決め手にマイクロソフト製品の採用を決めている。クライアントPCではOSに「Windows 7 Enterprise」、オフィスソフトウェアに「Office Professional Plus 2010」に統一している。
コミュニケーションや業務データを一元管理するために、情報やナレッジを共有できるプラットフォームとして「Exchange Server 2010」「SharePoint Server 2010」「Lync Server 2010」を採用している。Exchange Server 2010ではメールとスケジュール、SharePoint Server 2010では情報共有と検索、Lync Server 2010でリアルタイムコミュニケーションの各機能を担っている。ユーザー認証などの共通基盤では「Windows Server 2008 R2」、データベースには「SQL Server 2008 R2」を採用している。
クライアントPCのOSとして現在「Windows 8」を検証しているところだ。コミュニケーション基盤として「SharePoint Server 2013」やLync Serverのエンタープライズボイス機能も現在検証を進め、「SQL Server 2012」も検証中という。
JTは以前社内標準のデータベースを「Oracle Database」にしていた。だが、コストの高さが課題となっていた。Oracle DBをベースに自社開発のDBを各部署に導入していた。年々ライセンス料をはじめとしたコストがかかる上に、スクラッチ開発のシステムでは、市場ニーズに追いつくことが難しかったと説明している。
同社は2009年からマイクロソフト製品の情報系基盤を標準とする統合IT基盤の構築を進めており、その中で業務DBも検討を進めている。SQL Serverをミッションクリティカルなシステムに導入することを疑問視する向きもあったが、評価と検証の結果として社内標準のDBをSQL Serverに統一していることを2010年10月に決めている。
SQL Serverへの移行では、移行影響評価サービス「Oracleマイグレーションアセスメントサービス」と包括ライセンス契約「Enrollment for Application Platform(EAP)」が役立ったとしている。SQL ServerにはもともとETLツールやBIツールなどが標準機能として提供されている。EAPと組み合わせることで、コストを抑えられるとメリットを説明している。