本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。今週は、シマンテックの河村浩明 代表取締役社長と、日本HPの中川いち朗 常務執行役員の発言を紹介する。
「日本市場でここ2年半にわたって達成してきた売上高の2桁成長を、今後も継続していきたい」 (シマンテック 河村浩明 代表取締役社長)
シマンテック 河村浩明 代表取締役社長
シマンテックの河村社長が12月20日、2013年の注力分野について記者会見を開いた。冒頭の発言はその会見で、これまでに引き続いて今後の日本市場での高成長を誓ったものである。
河村氏によると、日本法人の売上高の成長率は、2011年3月期が前期比13%増、2012年3月期が同17%増、そして2012年4~9月期も同13%増と、2桁増を達成してきた。シマンテックではグローバルで年率5%成長を続けることが目標となっており、日本はそれを大きく上回るペースで、グローバルでも最重要市場の1つに位置付けられているという。
そこで河村氏は、2013年、日本市場により根ざした取り組みとして、サービス、人材育成、製品開発の3つの側面から、次のように説明した。
サービス面では、2012年11月に開設した東京セキュリティオペレーションセンター(東京SOC)を強化し、グローバルで均一化した高品質な、24時間365日のセキュリティ監視を行うマネージドセキュリティサービスを日本語で提供。これにより、複雑かつ高度化した現在のセキュリティ脅威から顧客を保護するという。
人材育成面では、昨年11月に開校したサイバーディフェンスアカデミーにより、日本企業のセキュリティ専門家の育成に注力。さらに若年層のセキュリティ人材の底上げのために、昨年に引き続き、高校生向けのコンテスト「サイバーセキュリティ・チャレンジ2013」を実施するとした。
製品開発面では、エンジニアリング組織である「ジャパンデベロップメントセンター(JDC)」をさらに強化し、市場環境に合ったテクノロジーとソリューションを提供することで、日本固有の顧客ニーズに対応するという。
さらに河村氏は、今後のBYOD環境などの進展を見据えて、モバイルとクラウドにおけるセキュリティソリューションに注力すると強調した。