デロイト トーマツ コンサルティングは1月17日、「日本企業のイノベーション実態調査」の結果を発表した。調査は時価総額50億円以上の上場企業2309社、単独売上高500億円以上の非上場企業726社が対象。335社から有効回答を得ている。
日本企業の新しい商品やサービス、新規事業といった“新規領域”での売上高の割合は6.6%となっている。米国での11.9%、中国での12.1%と比較して半分程度として、新規領域への取り組みが少ないと指摘している。
新規領域の中でも、自社にとっては新しいがすでに類似の市場が形成されている“周辺領域”に投入された商品やサービスによる売り上げが大半を占めており、自社と市場の双方にとって新しい“革新領域”に投入された商品やサービス、新規事業からの売り上げは11.0%。51.5%を占める米国とは大きな差が出ている。
革新領域からの売り上げの割合が米国と同等の5割以上となっている企業のうち8割以上が、業界平均値を上回る売上高成長率(直近10年)を示している。同社はこうした企業を“成長企業”と定義。成長企業では、イノベーションが持続的成長に貢献している傾向がうかがえると分析している。成長企業の現状から、日本企業が取り組むべき課題として以下を挙げている。
- 意図的にイノベーション人材を育成する活動をしておらず、ロールモデルが育たない
- 限定された“既存の延長”にすぎない情報の中からのアイデア収集が多いため、新しい事業のタネが生み出せない
- 計画の磨き上げプロセスが不十分なため。良質な新規事業を市場に投入するまでに至らない
- 新規事業創出がメカニズム化されず、ナレッジが属人化しているため、組織に根付かない
- 知的財産を“守る”ことが目的化しており、積極的な掘り起こしからの収益化に至っていない
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