モバイル通信量、今後5年で13倍--2017年に134エクサバイト=30兆枚の画像

田中好伸 (編集部)

2013-02-07 12:47

 米Cisco Systemsが米国時間2月6日に発表した「Cisco Visual Networking Index」最新版(PDF)によると、世界全体のモバイルデータトラフィックは今後5年間に13倍になるという。2017年には、月間11.2エクサバイト、年間で134エクサバイトに達すると予測している。

 1エクサバイトは100京バイトであり、100万テラバイトに相当する。2017年に予測される年間のモバイルデータトラフィック量の134エクサバイトは、2000年に生成された、固定とモバイルをあわせたすべてのIPトラフィックの134倍のデータに匹敵する。

 134エクサバイトは、画像にして30兆枚になる。これは、世界中のすべての人間が1年間毎日10枚の画像を送信した場合に相当する。また134エクサバイトは、3兆本の動画の量でもある。この数は、世界中のすべての人間が1年間毎日1本の動画を送信した場合に相当すると説明している。

 2012~2017年の世界のモバイルデータトラフィックの年平均成長率(CAGR)は66%になる。2016~2017年の1年間だけをみると、モバイルネットに追加される増分量は月間3.7エクサバイトと予測している。これは、2012年のモバイルネット全体の推定値である月間884ペタバイトの4倍以上に相当することになる。

 Ciscoは、2012~2017年にモバイルデータトラフィックは固定データトラフィックの3倍に達すると予測している。要因としては、(1)モバイルユーザーの増加、(2)モバイル接続の増加、(3)モバイル通信の変化、(4)モバイル動画の増加――を挙げている。

 モバイルユーザーは2012~2017年に43億人から52億人に増加。モバイルに対応する端末と接続、M2M接続の数は70億から100億(M2Mの増加分17億を含む)に増加する見通しだ。モバイル網の平均速度は、2012~2017年に0.5Mbpsから3.9Mbpsに高速化する見通しであり、モバイルデータトラフィック全体に占める動画の割合は、2012~2017年に51%から66%に増加するという見通しを示している。

 2017年段階で世界のモバイルメディアトラフィックの93%をスマートフォンやノートPC、タブレットが占めると予測される。車載GPSシステム、資材物流管理システム、医療アプリケーションなどM2Mトラフィックがモバイルデータトラフィックに占める割合は5%という。IPv6に対応するモバイル端末や接続の数は、2012年で14%(10億)だが、2017年で41%(42億)に達する見通しとなっている。

 モバイルネットの需要拡大に対応するために、モバイルトラフィックを固定通信やWi-Fi網にオフロードする手法を模索するサービスプロバイダーが増加している。2012年時点で、モバイルデータトラフィック全体の33%、月間にして429ペタバイトがオフロードされている。2017年には、モバイルデータトラフィック全体の46%、月間で9.6エクサバイトがオフロードされるとしている。

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