NEC、中堅中小向け経営支援サービスをクラウドで--コンサルも提供

大河原克行

2013-03-15 13:30

 NECは3月15日、クラウドを活用した中堅中小企業向け経営支援サービス「N-Town(エヌタウン)」を5月7日から提供すると発表した。ポータルサイトを通じて、3月15日から一部のサービスを先行で提供している。

 N-townは、中堅中小企業の経営力強化や販売力強化、サプライチェーン強化、基幹業務強化などの経営上の課題を各種クラウドサービスや経営コンサルティングサービスなどを通じて解決。これらをワンストップで提供するものと位置付けている。


松下公哉氏 

柳田真氏

 「N-townを利用する企業は、社内にIT資産やITの専門知識を持った社員を持たなくても、N-townで提供されるサービスの中から必要なサービスを選択し、利用することが可能になる」(NEC執行役員の松下公哉氏)

 N-townで提供するクラウドサービスでは、NECとパートナー企業が提供する経営レポートサービス、経営幹部教育、営業支援サービス、建設業経営支援サービス、eラーニングサービス、会計人事給与サービスなど約20種類のメニューを提供。今後3年間で100種類にまでメニューを拡大させていく。

 「売上拡大、サプライチェーン強化、経営強化、基幹業務の4つの軸でサービスの品揃えを行っていくことになる。今後は、サードパーティーの財務会計ソフトなども品揃えしていきたい」(NEC 産業ソリューション事業部長の柳田真氏)

 基幹業務サービスを中心に、アパレルや食品などの業種特性にあわせたテンプレートを用意。企業ごとのカスタマイズ費用を抑えて、低コストでのサービス利用を可能にできるという。業種コミュニティ向けのプラットフォームとして、ポータルや各種サービスを個別に用意。コミュニティ向け会員サービスの展開も視野に入れている。

 NECでは、パートナー企業にソフトウェア開発キット(SDK)を提供。これを利用してテンプレートやSaaS型アプリケーションサービスの開発が可能になるという。

 一方、日本能率協会コンサルティングの約500人のコンサルタントなどによる経営相談のほか、企業間の情報交換の場やビジネスマッチングの場なども提供。中小企業の事業拡大や経営基盤強化につなげていく。

 N-townのポータルサイトで会員登録するだけで、各サービスの契約や利用ができる仕組みとなっているのも特徴だ。ポータルサイトは、経営者向けのコラムなどの無償コンテンツ、経営診断などの特典サービスが利用できる「インフォメーションパーク」、各サービスを個別に契約し、それらを利用できる「ショップ&オフィス」で構成されている。会員は、共通のIDとパスワードから必要なサービスにログインでき、サービス間のデータ連携がN-town上で行えるという。

 「N-townは、IT投資を抑えながら、必要なサービスを選択し、それらのサービスを相互連携して利用できる年商100億円未満の企業を対象にしたクラウドサービス。中小企業では、ITシステムをワンストップで調達でき、経営面までサポートしてもらえること、ITを安心して運用でき、安価で短期間に構築したいという要望がある。これを解決できるのがN-townである。販売パートナーにとっても、自社サービスと連携した販売や幅広い顧客ニーズへの対応などのほか、自社で持っているサービスをN-town上に短期間に低コストで移行できるといったメリットもある」(松下氏)

 柳田氏は「N-townのサービス利用はネット経由が基本となるが、サービス選択のアドバイスや導入、利用時のサポートは、販売パートナーが直接出向いて実施する。ウェブとリアルとの両面で中小企業をサポートする。経営の味方になれるサービスにしたい。基本はパートナービジネスであり、パートナーがぞれぞれにN-town上に個別のサービス名などで提供することになる」とメリットを説明している。

 料金は、勤怠管理サービスなどでIDあたり月額数100円を想定しており、サービスなどにより料金体系が異なるという。

 すでに、一般社団法人の大阪卸商連合会に所属する大阪メンズアパレル工業組合がN-townの採用を決定しており、会員企業のサービスを提供していくという。同案件では、NECとオーシーシー情報センターが連携してサポートするとしている。

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