三菱自動車は自動車生産で部品を管理し、生産計画を立案するシステムのデータベースに「Microsoft SQL Server 2008 R2」を採用、2012年7月から稼働させている。日本マイクロソフトが7月4日に発表した。
三菱自動車は、必要な部品の在庫数や供給能力をベースに生産計画をシミュレーションし、工場と部品業者に最新の動向を伝えて、需給調整業務全体の精度を向上させることを目的に「生産計画シュミレーター」を2009年に自社で構築した。生産拠点や部品点数の増大などに伴い、システムのパワー不足が課題となっていた。
そこで同社は、2010年から生産計画シミュレーターのデータベースをパッケージソフトウェアに置き換えることを検討。処理性能の高さや直感的なレポートツール、拡張性などを評価して、SQL Server 2008 R2の採用を決めた。
生産計画シミュレーターはデータサイズ約32Tバイトのデータベースであり、1回で最大40万台分の車両の生産計画をシミュレーションする。1回のシミュレーションに、旧システムでは4時間以上かかっていたが、新システムでは約15分で処理が完了する。会議中に出た意見や仮説に基づいて、その場で再試算するなど、急な変更に柔軟に対応し、より精度の高い生産計画を立てられるようになったという。
三菱自動車では、これまでに調達に時間のかかる輸入部品は、在庫を多めに保有していた。新システムでは、部品在庫の状況をより短い時間で確認して生産計画を調整できるようにもなったと説明。以前は2カ月分を保有していた在庫が半減するなど、製造業の重要課題である在庫削減にも大きな効果があったとしている。

システム構成

業務フロー