伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、社内の経営情報分析システムとして「Microsoft SQL Server 2008 R2」を採用している。日本マイクロソフトが1月10日に発表した。
CTCは経営情報を分析するために、ビジネスインテリジェンス(BI)システムを活用していたが、性能上の問題を抱えていた。例えば、決算日にデータを抽出しようとすると、コマンドを実行してから実際にデータが来るまでに30分~1時間ほどかかるようになっていたという。
そのため、BIシステムを実際に活用するエンドユーザーの数は、登録されていた数よりも大きく下回っていた。データを抽出する作業に時間がかかることから、抽出作業を誰か一人に任せ、その人間が取ってきたデータを部署内で使い回すケースがあることが判明している。
CTCは新BIシステムの検討を2010年4月から開始。同年8月にSQL Server 2008 R2の採用を決めている。新BIシステムでは、データウェアハウスとして「Microsoft SQL Server Fast Track Data Warehouse(FTDW)」を採用している。FTDWは、SQL Serverとパフォーマンス検証済みの標準的なハードウェアをパッケージ化したものだ。
新BIシステムは、CTCの基幹システム「Next MI」の分析機能を担うものとして「MI-Cube」と命名されている。MI-Cubeは基幹システムのデータウェアハウスに集積された業務データをSQL Server Analysis Servicesのサーバに抽出して、エンドユーザーが指示する分析軸に沿ってデータを分析する。
現在の登録ユーザー数は1700、最も大きいキューブで8000万~9000万件の規模になると説明している。以前は最大1時間かかっていたデータ抽出は数秒で完了するようになっている。待ち時間やストレスが減ったことに加えて、各工程でのデータ処理に起因するロスタイムがなくなり、作業フロー全体の時間が短縮されるようになったと説明している。