マイクロバーティカルの強みを生かした営業戦略を展開
インフォアジャパン 代表取締役社長 尾羽沢功氏
最新の商品ラインである「Infor 10x」は、このような方針に沿って開発が進められてきたものだ。製品開発の取り組みについてはあまりアナウンスしてこなかったが、10xはユーザーやアナリストから高い評価を得ているという。
「10xは事前の期待を裏切ることなく、今やInforは3大ERPベンダーの中で最も成長している存在となりました。前の四半期では17%の成長を達成、それに対し競合2社は同時期に横這いかネガティブ成長でした。ワールドワイドだけではなく、日本を含むアジア太平洋地域に限ってみても、競合2社は芳しくない成績です」(Moylan氏)
そして日本でも、10xの提供が開始された。同社にとっても大きな市場の一つという日本で、インフォアはどのような営業戦略を採るのか。新たな代表取締役社長に就任した尾羽沢氏は「2倍」の成長目標を掲げ、その目標達成に向けて営業スタイルの変革を図っているところだという。
「セールスはサイエンスと思っています。営業の尻を叩いても売れない。まずルールを作り、それをしっかりインプリしてます。そしてトップダウンアプローチできる文化に変えていきます。ERPの導入は、ボトムアップではなかなか決まりにくいので、上から決断してもらう方向で営業を進められるようにするのです」(尾羽沢氏)
同時に、これまで他社より手薄だった日本でのパートナー制度も強化していく方針だ。これまでパートナーはシステムインテグレーターが中心で、現状では30社程度だが、2013年度には新たに5社とのパートナー関係締結を目標としており、さらにコンサルティングファームとの提携も、2013年中にグローバル2社と締結予定とのこと。こうした体制作りと並行して、自社の強みを生かした営業戦略を実施していくという。
「営業戦略では、まず深掘りです。日本でのインフォアユーザーは製造業が多く、特に自動車関連の部品大手が数多くいます。このような企業では国内外に数十の製造拠点を持っていますが、インフォア製品は一部の拠点でのみ使われていることが多いので、他の拠点にも提案を広げていきます。また並行して、他のインダストリーにも、ファッション、食料・飲料、流通をメインに展開する方針です。これらのインダストリーには手応えを感じています。
多くの企業が、10年ほど前にサプライチェーンや計画系のシステムを導入したものの、必ずしも使いこなせていないと考えているからです。その置き換えに、インフォアのマイクロバーティカルがヒットするはず。ユーザーは必ず自分の業務に落とし込んでイメージするものですから。つまり、インダストリーを縦軸とし、横軸にマイクロバーティカル、という戦略です」(尾羽沢氏)
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