大河原克行のエンプラ徒然

電機大手決算を読む:スマートフォンに振り回された4~6月期--ソニーが一人勝ち

大河原克行 2013年08月22日 15時26分

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 電機大手8社の2013年度第1四半期(4~6月)の連結業績が出そろった。各社の業績を見ると、2012年度までの暗闇の中の状況から、わずかながらも明るい陽射しが射し始めたと言っていいだろう。

 日立製作所、パナソニック、ソニー、東芝、富士通、三菱電機、NEC、シャープの電気大手8社の合計は、売上高が前年同期比5.7%増の10兆926億円、営業利益は前年同期の4.6倍となる1727億円、当期純利益は1681億円の赤字から914億円の黒字へと転換した。


(各社資料から編集部作成)

 売上高では、日立製作所を除く7社が前年実績を上回る結果。営業損益ではパナソニック、ソニー、東芝が前年同期比増収。シャープも黒字転換して、3四半期連続での黒字を達成している。赤字が残ったのは富士通とNECのITを主軸とする2社。PCや携帯電話の不振が大きく影響した。

 8社合計の営業利益率は1.7%と依然として低いままだが、前年同期が1%を切る営業利益率であったことに比べると、上昇傾向にあるのは明らかだ。

 最終損益は、日立製作所、パナソニックの2社が増益。ソニー、東芝が黒字転換。富士通、NEC、シャープの3社は赤字から脱却できないままという状況。構造改革が道半ばであることを浮き彫りにする格好となった。

 だが、4~6月の業績を俯瞰すると、円安が追い風となった点が見逃せない。

 パナソニックでは、海外のすべての地域で前年実績を上回るか、前年並みとなっているが「現地通貨ベースではすべての地域で実質減収」(パナソニック 常務取締役 河井英明氏)というように、円高効果が見逃せない。

 増収増益となったソニーにしても、「円と現地通貨との間に為替変動がなかったとした場合の資産ベースでは売上高は前年同期比3%減」(ソニー 代表執行役 EVP CFO 加藤優氏)になると説明。売上高で唯一前年割れとなった日立製作所も「為替では売上高では1400億円の効果があり、これを除くと前年同期比8%減になる」(日立製作所 代表執行役 執行役副社長 中村豊明氏)と、減収幅がマイナスになると説明した。

 このように電機各社は、異口同音に円安効果を業績引き上げの要因に挙げる。

スマートフォンから撤退するNEC

 4~6月期業績発表で、注目を集めたのが各社の携帯電話事業に対する姿勢だ。

 電気各社の決算発表が相次ぐ最中の7月31日。同日に4~6月期決算を発表したNECが、携帯電話事業を担うNECカシオモバイルコミュニケーションズでスマートフォンの新規開発を中止すると発表。これに伴って、各社の携帯電話事業の成り行きに注目が集まったからだ。

 NECでは「スマートフォンの投入が遅れたことに加え、魅力的な製品の開発ができなかったことが、新規開発中止の要因。だが、フィーチャーフォンは、スマートフォンほど開発投資が必要ではないために継続する」(NEC 取締役 執行役員兼CFO 川島勇氏)と説明した。

 NECが発表した4~6月期決算では、携帯電話事業は「その他」に含まれるが、4~6月期のその他セグメントの売上高は前年同期比3.5%減の1431億円、営業損益は62億円悪化し、99億円の赤字となった。

 携帯電話事業に関しては、各社とも厳しい状況にある。

 パナソニックで携帯電話事業を担当するパナソニックモバイルコミュニケーションズの売上高は前年同期比14%減の153億円、営業損失は17億円悪化の54億円の赤字。通期では11億円の赤字予想としているが、4~6月の段階でそれを大きく上回っている状況だ。

 パナソニックの河井氏は「携帯電話事業は継続していきたいと考えているが、現在のままでいいとは考えていない。フィーチャーフォンでは利益が出ているが、ドコモのツートップ戦略の影響もあり、今年秋以降にどうするのかを検討する必要がある」と今後の方針を説明した。

 「堅牢性の高い製品や当社が培った通信技術を活用した製品の投入など、当社の強みが生かせる戦略を考えていく必要がある。携帯電話の事業戦略については、別途説明をしたい」(河井氏)

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