Linuxの普及に本当に必要なもの--それは楽しさだ! - (page 2)

Jack Wallen (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2013-09-13 07:30

 その通り、筆者は楽しさが大事だと考えているのだ!筆者は10年以上にわたるLinux使用経験のなかで、大多数の見識あるユーザーがプラットフォーム全体についてあまりにも真面目に捉えてきたのを見てきている。Linuxコミュニティーに目を向けると、人々は常に言い争っている。例を挙げると、オープン対プロプライエタリや、「Ubuntu Unity」対その他すべて、GNUプロジェクトのRichard Matthew Stallman氏(RMS)対UbuntuのMark Shuttleworth氏といった具合である。しかし、Facebook(地球上で最も幅広く使われているプラットフォームだ)といったサイト上で人々が「なんてこったい!Ubuntu Software Centerでこんなお勧めアプリを見つけたよ!とっても面白いんだから!」といった書き込みをしているのにはお目にかかったことがない。

 筆者は、LinuxがデスクトップOSを最終的に(そして実質的に)制覇するために必要なのは、Adobe Systemsが「Photoshop」を移植し、Microsoftが「Microsoft Office」を移植し、Intuitが「QuickBooks」を移植することであると長い間信じていた。しかし今ではその考えを改めている。Linuxにとって必要なものはキラーアプリではなく、名実ともに人気のあるアプリを作り始めることだと確信している。Linuxにはソーシャルアプリ、すなわちミームを生み出すアプリ、子猫を勇猛なバイキングに変えるアプリが必要なのだ。「Linuxはその他のプラットフォームよりも優れている」という意識は捨て、コミュニティー全体として「Linuxはその他のプラットフォームよりも楽しい」という態度を培う必要があるというわけだ。なぜかって?人は楽しみたいと思っているからだ。人はディスプレイを前にしている時、楽しみたいと思っている。このためLinux開発者たちは、膨大な数のユーザーが本当に欲しがっているものに注力し始める必要がある。

 真面目な話、使用しているデスクトップOSのインターフェースなど誰も気にしてはいない。詰まるところ、どれも同じこと(アプリケーションの起動や、ファイルおよび文書の管理を支援する)を行うものなのだ。このため、Linuxにないもの(Microsoft OfficeやPhotoshop、QuickBooks)ではなく、Linuxが持ち得るものに着目するわけだ。ほとんどのユーザーは、たいていの開発者であれば寝ながらでも開発できるアプリを使って遊んでいるのだ!コンピュータを使っているユーザーにとって必要であるとあなたが考えているものに注力するのではなく、大多数のユーザーが持っている単純なニーズを活用し、彼らが欲しいと思っているアプリをたくさん作り出せばよい。

 Linuxは皆が使いたいと思うようなプラットフォームになる必要がある。これこそが大衆に興味を持ってもらえる方法なのだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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