ビズリーチは、会員制の求職者課金型転職サイトだ。これまでの転職サイトとは異なり、求職者からも利用料を徴収している。また、ボリュームゾーンである年収400~700万円の求人を抱えている既存の転職サイトとの差別化を図り、求人情報は年収800~1000万円以上が中心だ。この領域で新たなビジネスモデルを開拓している同社の取締役 CTO 竹内真氏に、理念と展望を聞いた。
エンジニアは、コミュニケーション力が高いビジネスマンを演じてみよう
--CTOとして、どのような役割を果たしているのか?
この会社に入る以前に、すでに起業していたことがあるのですが、もともと、生家はレストランをやっていたので、商売をするのは当たり前という人生です。小学生の頃には、税務申告をしていた時期もあったほどです。
取締役 CTO 竹内真氏
売り上げから、掛かった費用を引けばもうけが残る――当たり前のことですが、小学生からそういうことを知っていました。会社はお金がなければ経営を存続ということを身をもってわかっているわけです。
私と、創業者の南(壮一郎 代表取締役 CEO)と、取締役の永田(信 取締役 COO)と3人で、売り上げやコストなど、さまざまな会計上の数字をみて、どうするべきなのか、現場で起きているテクノロジの問題や、この先必要な設備投資などを、売り上げの推移からどのタイミングで実施するか考えています。経営会議では、技術の話よりどうやって売り上げを増やすか、コストを下げるか、どのタイミングで勝負に出るかなどの領域に責任を持っています。
--CTOとしての心構えは、どのようなことか?
エンジニアは職人なので、自分より強い職人だと思われないと、誰もついてこない。私は(他の技術者に対し)技術力で負けるとは思っていないですし、エンジニアの頂に君臨していなければなりません。自分でプログラムを書く作業は減っていますが、エンジニアリングの行きつく先は、アルゴリズムやフレームワークなどだと思います。現実はこうなっているので、こう組むよりは、こんな風にコードを書いた方が柔軟性がある、というようなことを考え、話しています。
--リーダーがITと経営の両方を理解している場合、メリットとデメリットは何か
私はCTOなので、現場のエンジニアを抱えています。当社では、PCにオープンソースソフト(OSS)を載せて会社の電話システムを構築しているのですが、これは本業のサービスにも生かされています。顧客から電話があった際のボタンごとの機能割り振りは、自前でプログラムを書いて制作しています。
これは、コストを抑制したかったからということもありますが、社員の中には、そういうこともやってみたいというモチベーションがあったから企画したのです。彼らの技術的探究心を満足させるためにも、ゼロから開発するように試行しましたが、これは現場と経営を1人で見ているからこそできる判断なのではないかと思っています。これがメリットの1つです。