3つ目には、Windows 8.1に関する情報が広く浸透していないということだ。
昨年10月のWindows 8発売時には、新たなWindows登場感を演出するため、事前に機能などに関する告知を行わず、発売日以降に告知活動を積極化するという手法を採用した。だが、これが発売直後の出足の鈍さにつながったという反省があった。
しかし、今回もその反省が生かされているとはいえない。Windows 8.1の発売においても、事前の告知活動が十分だったとは言い難いからだ。
スタートボタンの復活や法人向け機能の強化がWindows 8.1の特徴となるが、基本的な画面デザインは大きく変更されていないため、その変化が分かりにくく、法人向けの機能強化ポイントが一般ユーザーには分かりにくいといった点もある。
さらに、本社の方針で、マイクロソフト主催のユーザー向け発売イベントが、全世界で開催されなかったことも、認知度を高めることにもマイナスになったと言えそうだ。
日本マイクロソフトでは、世界で唯一、プレス向けイベントを開催したが、全世界のルールに則って、ユーザー向けイベントは実施しないというスタイルを取った。
「新製品の発売」ではなく、「アップデート」という姿勢を明確にするために、イベントを行わなかったのがその理由だ。
そのため、18日深夜0時の東京・秋葉原でのカウントダウン販売も、Windows 8の発売時のように、日本マイクロソフトの樋口泰行社長が訪れるということもなく、カウントダウン販売を実施した店舗も、ドスパラ パーツ館の1店舗だけ。約100人のユーザーが集まっただけに過ぎなかった。
こうした業界全体を挙げた盛り上げ策が限定的にならざるを得なかったことも、事前の認知が低いことにつながった点が見逃せないだろう。
国内での出足は厳しい状況となったWindows 8.1。Windows 8.1を搭載した新製品が出そろい始める今後に向けて、どんなマーケティング展開を進めるのだろうか。今後のWindows 8.1の販売動向が注目される。
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