至るところにデータがある

求められる顧客への総合的な視点--“データ主導マーケティング”の在り方

田中好伸 (編集部)

2013-10-23 15:59

 米テキサス州ダラスでイベント「Teradata 2013 PARTNERS」が米国時間10月20~24日に開催。イベント2日目となる10月21日の基調講演で、TeradataのTeradata Applications部門でトップを務めるDarryl McDonald氏は、企業のマーケティングが変化しつつあることを示した。

 McDonald氏は、企業の「ITの最大のユーザーはマーケティング部門」と語った。IT部門が管轄するシステムから製品の生産や販売などの状況、流通の現状などマーケティングに欠かすことのできないデータが生み出されるからだ。

 それに企業が発売する商品やサービスを購入する消費者は、モバイルやソーシャルメディアなどで、消費者がどんな商品やサービスを欲しがっているのか、あるいは欲しがっていないのか、さまざまな情報を生成している。つまり消費者は「パーソナライズドな情報があれば、消費者は受け入れる。自らが欲しがるようなタイムリーで関連性のある情報を要求している」(McDonald氏)


Darryl McDonald氏

 こうしたさまざまなデータを起点にしたマーケティング、“Data-Driven Marketing(データ主導マーケティング)”が今後重要になるとMcDonald氏は提唱した。このデータ主導マーケティングは、IT部門とマーケティング部門が連携あるいは統合することでより効果を発揮できる。

 McDonald氏の説明によると、いくつかの大企業は「IT部門とマーケティング部門は統合した方がいい」という考えであるという。また、マーケティング部門の4人に1人が「マーケティング部門はIT部門の真のパートナー」という考えであることも明らかにした。

 基調講演の中でMcDonald氏は「Digital Disruption(デジタルの破壊)」という言葉を掲げた。これは、デジタル技術が既存のものを破壊してきたという事実を示すものとして使った。

 デジタル化したことで音楽業界の業界構造は大きく様変わりしてしまったという事実は、まさしくDigital Disruptionが当てはまる。またデジタル化の波に乗れなかったことで経営が破綻してしまったEastman KodakもDigital Disruptionの事例と言えるだろう。McDonald氏はデータ主導マーケティングもDigital Disruptionと似たような状況の産物と指摘した、ととらえることができる。

 データ主導マーケティングを進める上で「顧客を触媒にして」マーケティング部門とIT部門はパートナーシップを築き上げるべきと提言した。「消費者は“あなた方の製品は信頼できる。ならば、私の情報をもっとあげましょう”と言っている。この声を触媒にして、マーケティング部門とIT部門は、それぞれのサイロを崩す必要がある」(McDonald氏)

顧客に対する総合的視点が必要

 こうした購買を巡る環境の変化をとらえたTeradataは、イベント2日目の米国時間10月21日にマーケティングを支援するためのツール群「Integrated Marketing Management(IMM)」を発表した。これは主にSaaS形式で利用できる(オンプレミスで利用できるものもある)。

 IMMは、データ主導のマーケティングを展開することが目的であり、顧客との双方向なつながりを一元的に管理する。顧客とのつながりはソーシャルメディアなどのデジタル領域はもちろんのこと、実際の店舗でのやり取りやコールセンターとのやり取りも一元的に管理できるという。顧客とのつながりを継続的に保つことで顧客の好みにあわせて商品やサービスを提供できると、そのメリットを強調している。同ツール群を活用すれば、キャンペーンやその支出を管理できるとともに、時間やコストを抑えられ、ITやマーケティングにかかるリソースを最適化できるとしている。

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