三菱重工業とNECは11月11日、NECのビッグデータ分析技術を活用し、船舶運航の省エネルギー化を実現するシステムを共同開発すると発表した。三菱重工業が2014年度末までに販売を開始する。
開発するのは「船舶向けエネルギー需要予測システム」。大型船舶を開発、建造する三菱重工業は、ビッグデータ分析技術を持つNECと組むことで、エネルギー需要をITを活用して予測する。船舶で収集した過去のエネルギー消費量、天候、気温、時刻などの各種データを基に、将来のエネルギー需要量を見込むシステムだ。予測技術には、ビッグデータに混在する多数の規則性を自動で発見するNECの「異種混合学習技術」を活用する。
三菱重工は、精度の高いエネルギー需要予測を基に、エンジンや発電機の稼働率や稼働台数を制御することで、船舶運航の省エネルギー化を実現し、運航コスト削減や環境負荷低減に貢献する考えだ。今後、このシステムや自社で開発した「三菱空気潤滑システム」など先進的な環境技術を提案し、新造船や既存船舶のバージョンアップ工事の受注拡大に取り組む。
一方、NECも異種混合学習技術を用いたエネルギー需要予測システムを、ビルエネルギー管理システムなどに展開するとしている。
人間がパターン切り替え要因を想定して、データ分割・マイニングしてもうまくいかない(出典:NECの異種混合学習技術に関する資料より)