「既存PCの資産を残しながらVDIを導入したため、当初は投資を回収できないが、仮想化が終了するとプラスに転じる。運用についてもPC台数が半減したことで運用負荷が下がった。一時的にVDIサポートのための費用が増加するなど、実際に導入してみて初めて分かったことも多かった」(松本氏)
リスク低減は、災害などで業務が継続できなかったり、ノートPCを紛失したりした場合を想定し、それを防ぐことでどのくらいの金額を節約できるかを試算した。生産性向上は、モバイルの利用や電話会議、在宅勤務の活用で、残業時間や移動時間がどのくらい減ったかなどを試算。イノベーションは、ブランディングや顧客満足、従業員満足を測るものという。
リスク低減では、病気の爆発的感染(パンデミック)や交通マヒで年1回2日間従業員が出社できなかったケースを想定し、VDIやモバイルなどを活用して業務を続けた場合は、年間5億7600万円相当(1日あたり売上高×2日間×出社できない社員の割合)のリスクを回避できるなど、合計で年間8億4691万円の効果があったという。
生産性向上では、残業時間の削減で3億7152万円相当を、移動や出張で4810万円相当をそれぞれ削減でき、合計で年間8億8490万円の効果があったという。単純計算すると、CAPEXやOPEX、リスク低減、生産性向上の4項目で22億6152万円を節約することになる。
松本氏は「ITツールの導入という視点で、設備投資コストや運用コストの効果を測るだけでなく、エンドユーザーの視点で、リスク低減や生産性向上の効果を見ていくことがポイント。特にVDIを導入する際には、ワークスタイル変革を支援するテレワーク制度やワークライフバランスに関連する人事制度を導入するといった取り組みをあわせて行うことも大切」と強調した。
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