2014年は「スモールデータ」元年に--10の理由を解説 - (page 2)

Paul Greenberg (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2013-12-13 07:30

#1:ビッグデータは簡単ではない(そして限られた分野のものである)

 ビッグデータを大々的に活用し、利点を享受できるようになるまでには時間がかかる。また、ほとんどのマーケティング担当者やオンラインストラテジストは、自らの販促活動を行ったり、パーソナライズされたエクスペリエンスを調達するうえで、ちゃんとしたサイズのビッグデータを必要としていないという事実は言うまでもない。さらに、IT技術者は大型サーバと大規模プロセス、高額な予算をかけた中央集権モデル(少数の人々が牛耳っている)を維持したいがためにビッグデータを望んでいるという主張も可能だ。スモールデータという考え方は、このようなサイクルを断ち切り、アプリとデータの民主化を進めるうえで役立つのである。

#2:スモールデータは身近なところ(そしてさまざまな分野)にある

 顧客のニーズや欲求の変化についてのヒントを与えてくれるソーシャルなウェブや、大量のソーシャルなやり取り、モバイル機器による通信について考えてほしい。ソーシャルなチャネルは、マーケティングや購買の意思決定のための情報を伝えてくれるスモールデータで満ちあふれている。個人というレベルで見た場合、われわれはチェックインや検索、閲覧、投稿といった行為のたびにスモールデータを生成し、それによってわれわれの(デジタル的な、および物理的な意味合いにおける)健康状態を垣間見せる固有のシグネチャを作り出しているのである。なお、このテーマはコーネル大学のDeborah Estrin教授によって研究されている。

#3:スモールデータは新しい顧客関係管理(CRM)の中心になる

 ソーシャルCRMの状況に関する筆者の2013年の記事でも考察しているように、顧客やその分野、インフルエンサー、そして競合に至るまでの完璧な全体像を描き出すには、ソーシャルチャネルや販促活動からの洞察と、ウェブ分析やトランザクションデータを組み合わせる必要がある。新たなCRM(そして顧客経験[CX]や顧客経験管理[CEM])ソリューションの中心となる豊富なプロファイルを築き上げ、顧客を満足させられる、狙いを定めた提案や、個々の対象に特化した顧客経験を生み出すうえで、スモールデータは鍵となるのである。

#4:投資回収率(ROI)が重要となる

 ビッグデータの詰めの部分に着目することで、上流のシステムやツール、サービスに対する今までの投資(IDCによると100億ドルを超えて増え続けている)を生かせるようになる。また、データ駆動アプリの価値(ビッグデータでもスモールデータでも)を完全に引き出すには、それらが日々の作業のためにアクション可能であり、アクセス可能となっていなければならない。さらに、既に手にしている洞察/コンテンツの収集や、現在の作業コンテキストにおける意味の発見、幅広いユーザーに向けた適切な形式による適切なデータの調達をよりうまく行う必要もある。これがスモールデータ哲学の本質となる。

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