モバイルファーストという不可逆

2014年、開発は「モバイルファースト」に - (page 2)

Matt Baxter-Reynolds (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2013-12-20 07:30

アプリ

 なぜか人々はモバイル版のウェブサイトでできることであっても専用のアプリを使いたいと考える。世の中がモバイルコンピューティングへと移行していくなかで、この点が変わらないのは不思議だ。そのおかげで、企業は複数のプラットフォーム向けにアプリを用意するための投資を余儀なくされ続けている。(問題を冷静に見た場合)企業は本来、プラットフォームを意識しないモバイル版のウェブサイトを1つ用意しておけば済むはずだ。

 理由は何であれ、ユーザーはアプリを求めている。このため、顧客を大事にするには、単にモバイル向けのウェブサイトを作って良しとするのではなく、主要プラットフォーム向けにそれぞれアプリを用意しなければならない。つまり、われわれが今実際に目にしているのは「アナログのやり取り」(電話やファックス、手紙、対面)から、デスクトップPC向けのウェブサイトをベースにしたデジタルなやり取りへ、そしてモバイルアプリをベースにしたデジタルなやり取りへという変化なのである。

 とは言うものの、デスクトップPC向けのウェブサイトとモバイルアプリ間のこういった「色の違い」が役に立つ場合もある。これら2つの間には大きな隔たりがあるため、デスクトップPC向けの素晴らしいウェブサイトを用意したうえで、中途半端なモバイル版のウェブサイトを用意し、優れているとはお世辞にも言い難いものをモバイル上で展開してしまうということが無くなる。

 この手の話は、ポストPC時代が幕を開ける10年前にはよくあった。筆者が参画した当時の数々の企業プロジェクトでは豊富な機能を搭載し、さまざまな用途を持ったデスクトップ向けのウェブアプリを開発した後、そのモバイル版を拙速で開発するというケースが結構あった。これらのウェブアプリは製品シートに記述するためだけに開発されたようなみすぼらしい、誰にとっても大して役立たないものであった。

 このアプローチは「モバイルを後回しに」というものだったというわけだ。要するにモバイルソリューションは重要ではなかったのだ。この認識は変革しなければならない。

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