本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、日本オラクルの専務執行役員を務める三澤智光氏と、米Symantecセキュリティレスポンスのバイスプレジデント、Kevin Hogan(ケビン・ホーガン)氏の発言を紹介する。
「新ソリューションは日本のITを支えている企業から賛同を得ている」 (日本オラクル 三澤智光 専務執行役員)
日本オラクルの専務執行役員、三澤智光氏
日本オラクルが先ごろ、ビッグデータ分析ソフトウェア「Oracle Endeca Information Discovery」(Endeca)の新版「Endeca 3.1」を国内で提供開始すると発表した。製品事業を統括する三澤氏の発言は、その発表会見で、新版のエコシステムを形成するパートナー企業に日本の有力ベンダーが名を連ねていることを強調したものである。
Endecaは、さまざまな構造化データおよび非構造化データを組み合わせて包括的に探索、分析できるソフトウェアである。新版では、業務部門のユーザーでも構造化データと非構造化データを統合してデータディスカバリができるセルフサービス機能が強化された。
また、非構造化データの分析機能を拡張したほか、ビジネスインテリジェンス製品「Oracle Business Intelligence(Oracle BI)」との連携や監査機能も強化されている。
Endecaは、オラクルが2012年2月に経営統合した企業の製品だ。買収前から非構造化データの分析技術に優れており、600社以上の導入実績がある。日本では2013年9月に製品を発表したが、その後、パートナー企業との連携体制を整備し、今回は新版とともにその体制についても満を持して発表した形だ。
新版の詳しい内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは三澤氏が冒頭の発言で胸を張ったエコシステムに注目したい。
Endecaのパートナー企業として名を連ねているのは、伊藤忠テクノソリューションズ、NTTデータ、新日鉄住金ソリューションズ、TIS、東洋ビジネスエンジニアリング、NEC、野村総合研究所、日立製作所、日立ソリューションズ、富士通、富士通北陸システムズ、ブレインチャイルドの12社。これらパートナー企業からは次のような賛同コメントが寄せられている。一部を紹介しておこう。
「企業内外の構造化・非構造化データ、当社が提供するTwitterデータなどを統合的に扱えるEndeca新版に加え、当社のコンサルティング、システムインテグレーションも含めた価値を提供することで、企業の情報活用の変革を実現していきたい」(NTTデータ)
「当社の独自技術とオラクルのビッグデータ関連技術の連携をさらに強化することで、お客様に付加価値の高いビッグデータソリューションを提供できるものと期待している」(NEC)
「当社の統合サービスプラットフォーム、オープンミドルウェア、ストレージソリューションとともに、付加価値の高いお客様システムの構築に活用できると期待している」(日立製作所)
「当社のビッグデータ活用を支える製品・サービス群と合わせ、お客様に高い価値を提供できるものと確信している」(富士通)