イー・ガーディアンは1月28日、東京大学と共同で画像フィルタリングシステムの研究を開始すると発表した。
今回の共同研究は東京大学大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 原田達也教授の研究室との産学連携プログラムによるもの。原田研究室では、現実世界から有益な情報を抽出し、インターネット上にある膨大なデータと情報処理能力を結びつけ、高度な知能システムの構築を目指す。画像データからそれが何であるかを認識し、単語で表示する技術である画像アノテーションの研究を手掛けている。国際的画像認識の大会であるILSVRC2012(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)で120の犬種を画像から識別する部門で、世界1位を獲得した実績を持つ。
一方、イー・ガーディアンではこれまで10年間の投稿監視実績で、パトロールのノウハウや、機械学習の仕組みを構築する際に欠かせない正確な「教師データ」(または「訓練データ」。人間による目視分析で作成する)のノウハウを培ってきた。このノウハウと原田研究室の技術を組み合わせ、画像フィルタリングシステムの開発に着手する。今回の共同研究では、各企業にカスタマイズ可能なフィルタリングデータを作成し、より精度の高い判断基準に基づいた画像フィルタリングシステムの実現を目指す。
イー・ガーディアンでは、今回開発する画像自動認識システムのサービス提供を、2014年夏にも開始するとしている。画像や動画の投稿サイトにおいて、投稿内容が不正や公序良俗に反していないかなどを人の目で監視している現状に対し、人の目による監視と同程度の精度を保ちつつ、コストを3分の1に抑えることを目標としているという。