サーバもストレージもない、1つの基盤
2013年は、ソフトウェアにより、ネットワークを制御するSDN (Software Defined Networking)の技術が進展し、仮想化技術にとり、新たな転換点だったとする見方もある。2014年には、この領域では、何が起こるのだろうか。
Serrano氏は「仮想化されたストレージ、あるいはコンピュータとストレージが真に、仮想化環境に適合するような基盤となる。これまでのコンピュータやストレージは仮想化に適合した存在ではなかった。というのも、これらは、システムなどをインストールするためのいわば、入れ物に過ぎなかった側面があり、仮想化を考慮していなかった。状況は大きく変わり、サーバもストレージもなく、1つの新しい基盤として生まれ変わるのが、2014年のトレンドだと考えている。仮想化に特化した環境やソフトウェアで定義されたアプリケーションのための環境は、われわれだけが持っているとの自負がある」としており、仮想化技術は今年、さらに進化の速度を上げるとの見通しだ。
SDNがいっそう発展し、ITのさまざまな分野に大きな影響を与えていくなかで、同社自体はどのような方向へと動いていくのか。Serrano氏は「すべてがソフトウェアで定義されるとの概念の下には、SDS(Software Defined Storage)というのも含まれる。それを正にわれわれが実現しているし、さらに推し進めていく。ストレージは、RAIDを適用したり細かい仕様が必要だが、われわれはバーチャルマシンをインストールする手法を持ち込んでいる。それは、RAIDを共有型ストレージ上で実現するやり方とは相いれない。RAIDを組んで物理的なサーバをインストールするというときに、わざわざ仮想化しようとすることに無理があり、ボトルネックになる。そこでわれわれは、それを一から開発し、RAIDはなしで分散ファイルシステムを用い、ハードディスク上にバーチャルマシンで実装する形式を採っている。ストレージと呼ばれる物理的な悪しき慣習を排していることになる。従来型のストレージは、いずれなくなるのではないか」と話す。常識的な発想を覆すことを狙っていると強調した。