伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2月13日、ネットワークスイッチ向けのLinuxディストリビューション「Cumulus Linux」の提供を開始した。1年間の使用を前提にするサブスクリプション形式で提供し、最小構成で1スイッチで1サブスクリプションあたり10万円からを予定している。関連製品や導入支援を含めて3年間で20億円の売り上げを目指す。
DebianベースのCumulus Linuxは米Cumulus Networksが開発。汎用のベアメタルのスイッチで動作する。複数メーカーのスイッチに対応しているという。ユーザー企業が自ら独自のアプリケーションをスイッチに組み込むこともできる。
Cumulus Networksは、Facebookなどが提唱している、ユーザー企業が主体となってユーザー視点で要件を組み込んでデータセンターに最適なIAサーバの標準化を進めるプロジェクト「Open Compute Project(OCP)」に参加している。同社は、オープンソースソフトウェア(OSS)のIaaS基盤構築管理ソフトウェア「OpenStack」のコミュニティにも参加している。
Cumulus Linuxは、従来のネットワークスイッチに比べ単に価格が安いだけでなく、これまでの一般的なネットワークOSと違ってサーバOSとして普及しているLinuxをネットワークにも適用することで、サーバエンジニアのスキルセットで扱える点が特徴としている。共通したスキルでサーバとネットワークを運用できるため、迅速なサービスを提供し、オペレーションコストを削減できるという。OpenStackなどのOSSとの連携によるサービス向上も可能としている。
CTCでは、汎用的なネットワークをSDN(Software-Defined Network)コントローラやOpenStackをはじめとするOSSと組み合わせることで最適化できるインフラサービスを提供している。1月にOCPの運営団体である「Open Compute Project Foundation」と契約を締結した。今後はCumulus Linuxと関連製品を組み合わせた製品やサービスを開発、販売していく。
CTC提供