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ビジュアルコミュニケーションで働き方や生活を豊かに--ブイキューブ 間下社長

大川淳 山田竜司 (編集部)

2014-03-06 18:25

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 ウェブ会議システムを展開するブイキューブは国内市場で6年連続シェア1位を維持しているという。遠隔地間で会議をするためのこのツールは新たな領域に入り、変化の兆しが現れている。ウェブ会議システム市場の最新状況と同社の戦略について、代表取締役社長の間下直晃氏に話を聞いた。

説明販売や会社説明会でも活用


代表取締役社長 間下直晃氏

--どういった経緯でウェブ会議システムを提供しているのか。

 ブイキューブは、1998年10月に開業しました。当初は、携帯電話向けアプリケーションの受託開発をしていました。米国に進出しようと考え、向こうにオフィスを開設していたため、日米間のコミュニケーションツールとしてテレビ会議の導入を検討したのですが、当時は高価だったので、自前で開発したものが、現在のウェブ会議システムの原型です。社内で利用しているうちに、これは外販しても売れるだろうということで、使いやすい価格にしようと思い、月額数万円からのASP型で販売を開始したのが2004年です。

 現在、クラウド、オンプレミスの2系統で展開していますが、ユーザー数の95%くらいがクラウドを選んでいます。社員数220人のうち180人程度は国内にいますが、それ以外は、米国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、中国に常駐しており、私自身、普段はシンガポールに在住し、この地を軸にアジアでの展開を強化することを図り、アジアでナンバーワンのビジュアルコミュニケーションツールベンダーを目指しています。

--ウェブ会議システムはどのようなメリットをもたらすのか。

 映像と音声を活用して、距離や時間の壁を超えることができるため、実際に顔を合わせなければできなかったことが可能になり、移動のための時間や費用を削減できます。実際、リコーテクノシステムズでは、例えば年間で交通費は500万円、移動時間は(人件費に)換算すると900~1000万円程度の削減効果が出ているそうです。また、シャノンの場合、商談を迅速に進められるようになり、商談開始から成約までのスピードが約25%改善していると聞いています。

--市場はどのように拡大しているのか。

 われわれが、ビジュアルコミュニケーションと呼んでいる市場は、ウェブ会議の分野といわれることが多いのですが、それだけではありません。従来のテレビ会議とウェブ会議にも違いはあります。前者は、専用機器を使い、後者はパソコンやタブレットなどでやり取りするわけです。用途は多様化しています。中でもウェブによるセミナーが伸びており、年間で200~300万人が利用しています。リクルートと提携して、新卒者向けの会社説明会のオンライン化にも着手しています。

 リクナビが開催する説明会は、東京で開かれることが多く、地方の学生は来訪が困難になるため、オンライン化する動きが出てきています。このような会社説明会は、年間600社が利用しており、すでに全国区のサービスとなっています。学生はパソコン、タブレットで参加できます。また、遠隔地への商品販売で、説明を要するもののために活用されています。例えば、金融関連商品、あるいはIT関連の商品などです。その他、大学、塾、専門学校の授業などにも使われています。今後は、遠隔診断、遠隔治療といった医療分野でも成長が期待できます。

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