NEC、公共インフラのライフサイクル管理システム--横断的に把握

NO BUDGET

2014-03-11 15:50

 NECは3月11日、地方公共団体向けに道路や橋梁などの公共インフラの設計施工から点検補修までライフサイクルで管理する「GPRIME公共インフラマネジメントソリューション」を販売開始した。すでに群馬県が採用している。

 平時のライフサイクル管理だけでなく災害時の情報共有機能も備えており、複数のシステムでバラバラに管理していることが多いインフラ管理や災害対応の仕組みを横断的に把握できるようにする。

 今回のシステムは、国土交通省が定義する「公共事業支援統合情報システム」の基本的な概念「CALS/EC」をベースにしている。主な機能として、公共インフラを長い期間ライフサイクルで管理する「インフラ管理」機能と防災活動中や災害発生時に被災箇所などのさまざまな情報をリアルタイムに把握できる「災害情報共有」機能を提供する。CALS/ECを活用し、日常的なインフラの維持管理から防災まで幅広く支援する仕組みは、国内初になるという。

 インフラ管理機能では、図面データや点検結果を施設情報に紐付けて管理する汎用台帳機能を搭載しており、職員は、1つの施設に関するさまざまな情報を一覧できる。点検現場で職員がタブレット端末などから点検結果を報告できる施設点検アプリを提供しており、管理業務を効率化できるという。

 群馬県は、汎用台帳機能を活用して「道路防災カルテ」を作成している。道路の危険な箇所の位置や地盤安定度評価などを登録することで、潜在的な危険性などの状況を職員がいつでも把握できるようになっているとしている。4月から運用を始める。

 災害情報共有機能では、雨量や水位などの気象情報データをリアルタイムに一元管理でき、通行規制情報なども集約してPCやタブレット端末でどこからでも確認できる。被災現場の位置情報や写真、概況を本庁などの職員へ速報できる専用アプリ「災害通報」機能も搭載している。

 全国の地方公共団体では、公共インフラの老朽化や災害への備えが課題となっており、限られた財源の中での対策が急務となっている。政府も国土交通省が中心となり、地方公共団体へインフラ長寿命化行動計画の策定を要請している。

 そうした中で、統一した情報基盤で公共インフラのライフサイクル管理や災害情報管理を実施したいというニーズは今後も高まると予測されている。

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