サイバーセキュリティ
日米両政府は、日本の「サイバーセキュリティ国際連携取組方針」と米国の「サイバースペース国際戦略」に沿った協力関係にある。
両者は、サイバー脅威に対するセキュリティの強化に関心を有しており、ベストプラクティスの共有や共同意識啓発活動における連携を継続することで一致した。
特に昨年開始された米国の国土安全保障省のPREDICT(Protected REpository for Defense of Infrastructure against Cyber Threats)で収集された、ネットワーク運用データと日本の総務省が実施中の国際連携によるサイバー攻撃予知、即応技術の研究開発プロジェクト(PRACTICE)との共有が進捗していることを強調した。双方はこのようなデータの共有を継続する。また、クラウド関連サービスのセキュリティ強化に向けた意見交換を続ける。
オープンデータ
政府は膨大な量の統計、経済、財政、地理空間、法規制、科学的データその他のデータを収集し生成する。政府が保有するデータを活用することはイノベーション、科学的発見、新たな便利な製品やサービスの開発を促し、これらはすべて経済成長に貢献することができるとアピール。
日米両政府は、データを容易に公開し、アクセス可能とし、国民に広く利用可能とするベストプラクティスを共有することで利益を得られると説明した。
オープンデータの活用に向けた環境整備が、民間企業による新サービスの開発や新産 業の創出を促し、経済成長を加速していく上で重要であることを指摘した。両者は、政府のオーンデータに向けた取り組みに関する経験を共有する。
さらに両者は、パーソナルデータの活用とプライバシー保護に関してOECDのガイドラインの支持を明らかにし、クラウドコンピューティングなどの分野で情報交換した。
そのほか日米両国は情報通信研究機構(NICT)と全米科学財団(NSF)などを通じ、サイバーフィジカルシステム、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、ソーシャルコンピューティングを統合する基盤技術「サイバーフィジカルクラウドコンピューティング」分野に係る研究開発の日米協力を推進することで一致したという。
日米インターネットエコノミー民間作業部会 共同声明
会合冒頭に、日米の産業界からインターネットエコノミーの発展に向けた提言をまとめた「日米インターネットエコノミー民間作業部会 共同声明」が提出された。
声明は「開かれたインターネット堅持のための協力推進」「個人情報保護に配慮したデータ利活用を図るための協力推進」「情報セキュリティに関する日米協力体制の整備」「日米産業界が協力して推進すべきテーマ」などを提言したもの。両国政府の参加者は、共同声明を歓迎し、産業界による本対話への継続した関与を要請したという。
参加者として、日本側は、総務省の情報通信国際戦略局長 阪本泰男氏と総務省 内閣官房IT 総合戦略室、内閣官房情報セキュリティセンター、消費者庁、外務省と経済産業省の代表が参加。米国側は、Daniel A. Sepulveda大使と国務省、連邦通信委員会(FCC)、全米科学財団の代表が参加した。また、日米両国の産業界の代表が議論の一部に参加した。
次回の会合は今秋をめどに、ワシントンDCでの開催を予定している。