アジアのIT

一般企業がハッカーの習性を逆手に取る方法

Enterprise Innovation日本版 Greg Bunt(Juniper Networks, Asia Pacific)

2014-03-24 12:16

 犯罪行為を働くハッカーといえば、暗号のことしか頭にない技術オタクの姿が目に浮かぶかもしれない。「ゲームプレーヤー」「パズル解読者」「PC操作の達人」といったタイプだ。しかし最近になって、少し違った姿が浮かび上がってきた。一言で表すなら、ハッカーも普通の人間、という点が注目されはじめたのだ。

 オンラインの脅威について考えるとき、たいていの場合、わたしたちは技術的な側面に目を向けがちだ。例えば、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)、クロスサイトリクエストフォージェリ (CSRF) の巧妙さ、各セッションや許可、認証、プロキシ、クエリストリング操作などだ。それらにばかり注目していると、攻撃の根本を見逃してしまうことになる。サイバー攻撃の真の原因は、ハッキング行為というよりはむしろハッカーそのものに潜んでいるからだ。

 ここからは、ヒューマンファクターの立場から、ハッキングに対する認識を新たにしてみたい。最初に、ハッカーの急所を明らかにしてみよう。それは「時間」と「金」だ。ハッカーが嫌いなことを1つ挙げるとすれば、それは「貴重な時間の浪費だと分かっている仕事に手を出すこと」だ。そして、ほとんどのハッカーに足りないことは「辛抱すること」だ。ハッカーは結果を、利得を、金をすぐに求める。

 ハッカーにとっての経済的な利点を視野に入れた場合、わたしたちに何ができるだろうか。まず、ウェブサイトやデータセンター、ネットワークへの攻撃に要する時間、労力、コストといった負荷を増やす方法を見つけることだ。また、重要かつ有効なセキュリティツールをもっと活用することで、ハッカーに時間を浪費させ、攻撃の価値を損なわせるのも効果的だ。

©iStock.com/tommaso79
©iStock.com/tommaso79

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  2. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    VPNの欠点を理解し、ハイブリッドインフラを支えるゼロトラストの有効性を確認する

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]