Analytics 3.0時代のあり方
Analytics 3.0は、従来の構造化されたデータ分析とビックデータの良い部分を合わせたもので、重要な意思決定や製品やサービス開発をスピードアップできるという。Analytics 3.0では、データをもとに事業を推進するのは、もはやネット企業だけではなく、ありとあらゆる業界の企業であるという点だと語る。
「例えば、トイレはトイレという機能だけではなく、センサを搭載し、日々の行動をチェックする健康管理にいかに変えるかが求められてくる。顧客はトイレを買うのではなく、よりよい健康を求めていると言える。センサによって生み出された、データのアナリティクスも必要となる。もはや、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)ではなく、『モノのアナリティクス』をどうするかを考えなければいけない」
Davenport氏は、Internet of Thingsではなく、Analytics of Thingsが必要だと語る。
「アナリティクスは、あらゆるビジネス機能への統合が起き始め、アナリティクスはすべての部署に関係するものとなる。さまざまな意思決定も影響を及ぼすことになる。意思決定のプロセスをサポートするために、伝統的なアナリティクスとビックデータをシームレスにブレンドしなければいけない。そのために、既存のツールと新しいツールを組み合わせるハイブリッドな環境が必要だ」
データ分析には3つのタイプが存在する。過去の出来事について説明する「記述型分析」、過去のデータからモデルを構築し、将来を予測する「予測型分析」、モデルから最も望ましい行動を特定する「指示型分析」である。Analytics 3.0を追求する企業は、スモールデータとビックデータ、社内情報と社外の情報、構造化データと非構造化データなどのさまざまなデータを統合し、予測型もしくは指示型の分析により新しい発見を得ようとすることが必要だという。
「指示型分析によって、アナリティクスが企業内の主な業務プロセスや従業員の行動の中に組み込まれていくだろう」
データを分析し、効率的な意思決定や製品開発へと活かすためにも、データに関するさまざまな課題ごとにリーダーを設けるのは合理的ではない。“最高分析責任者(Chief Analytics Officer:CAO)”もしくはそれと同様な役職を設置し、分析業務を管轄させることが求められてくるだろうと語る。
ビックデータ分析に合わせて、組織のあり方も変化が求められる。Analytics 3.0時代を先取りできる企業が、次の時代の先駆けとなると語った。