富国生命保険(フコク生命)は、顧客からの要望を蓄積したデータベースから苦情を自動的に判別、分析できるシステムを導入し顧客対応を強化している。導入により、手作業での業務をこれまでの10分の1に削減したという。日本アイ・ビー・エムが4月25日に発表した。
これまでフコク生命では、コールセンターなどを通じて寄せられる顧客からの意見や要望、不満などの申し出情報から、苦情にあたるものを担当者による手作業で抽出していた。システムの導入により、年間約60万件の顧客とのやり取りを自動判別できるようになり、担当者が手作業で実施していた判定業務量がこれまでの10分の1に削減された。作業期間も1週間から1日に短縮されたという。
顧客の不満を引き起こしている原因を迅速に理解し、社内共有が可能になった。さらに蓄積された問い合わせなどの情報を分析し、顧客の要望事項や不満の声を改善検討につなげる分析基盤を構築できたという。
システムには、IBMのテキストマイニングソフト「IBM Content Analytics with Enterprise Search」(ICA)を採用した。ICAは契約情報などの構造化データと、顧客との会話などの非構造化データのクロス分析や時系列分析が可能。分析軸を自由に追加できるため、業務に合わせた分析が可能という。
今後フコク生命では、これらの分析結果を活用し、顧客の問い合わせなどの傾向から、アフターサービスや事務手続きの改善を検討し、顧客満足度の向上を目指す。