AccentureとMicrosoftの合弁企業として2000年に米国で設立されたAvanade。Microsoftの技術とAccentureのコンサルティングのノウハウを組み合わせたシステムインテグレーターとしてサービスを提供している。
日本市場の本格参入は2005年10月。Microsoftへの急速な需要の高まりを背景に、日本の企業IT市場の期待に応えるべく、アバナード日本法人が設立された。5月1日に日本法人の代表取締役社長に就任した安間裕氏に話を聞いた。
アバナード 代表取締役社長 安間裕氏
--Microsoftの技術の優位性は揺るがないとしているが、その理由は何か。
パーソナル向け、ビジネス向け、それぞれを牽引するITは異なる。ITの世界は、1960年代から90年代までは、米IBMの時代だったと認識している。その後、Microsoftが台頭し、この両者がクリアな棲み分けをしていた感があった。しかし、これからの時代は、そうはならず、割拠していくだろうが、Microsoftの存在意義はいっそう大きくなっていくとみている。
Word、Excelは、ビジネスの核だ。Windowsは今もインターネットの窓口になっていて一定の支持があり、Microsoftがけん引している。いま、パーソナルの領域で発展した要素が、ビジネスをけん引している。個人で使用するデバイスと、ビジネスで使用するデバイスは同じように使えないと不便だ。ビジネス側の要素がパーソナルの方に逆浸透するのではと思っている。
Microsoftのコラボレーション基盤の「SharePoint」 や企業向けソーシャルの「Yammer」が個人向けに浸透してくる可能性がある。われわれはWord、Excelなど、シンプルなものにMicrosoftのテクノロジをラッピングして、ユーザーが求める最大公約数、最小公倍数の形式にし、エンドユーザーのところに届けたい。そのようなラッピングが可能であり世界的に展開できるのは、Avanadeだけだと考えている。
--日本法人の代表になって着手したいことは。
現在は非常に引き合いが多く採用を増やしたい。また、Avanadeは世界70拠点で展開しており、日本にはない発想をもとにさまざまな切り口でサービスを提供しているため、これらを展開するためのジャパナイゼーションのラボを立ち上げて日本企業に紹介したい。
なによりITや業界のイメージを変えたい。エンジニアなどをはじめとする、ITの仕事はかつて、いわゆる「3K」だといわれてきた。それが、時とともに、「規則が厳しい」「休暇がとれない」「化粧がのらない」「結婚できない」が加わり「7K」などとまでいわれている。今後、このような状況を打破し、ITをカッコイイものにしていきたいと考えている。
これまでの統合基幹業務システム(ERP)をカスタマイズして配備するといった業務も大事だが、既存技術とモバイルやデータ解析などを新たに融合させ、(ジェスチャなどで操作できる)KinectとAR(拡張現実)を融合させるプロジェクトにも、われわれは世界中で取り組んでいる。最新技術やコンシューマー分野に次のビジネスのヒントがある。