デル、キャッシュソフト新製品--PCIeフラッシュと自動階層化で500万IOPS

中城朋大 (インサイト) 2014年05月16日 14時15分

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 デルは5月14日、ストレージキャッシュソフトの新製品「Dell Fluid Cache for SAN」とストレージ製品向けファームウェア「Dell Compellent Storage Center 6.5」を発表した。2014年第2四半期(5~7月)に提供する。

 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長 町田栄作氏は、Dellのデータ運用・保護のコンセプトとして「コストパフォーマンスの破壊を“新しい当たり前”にすること」を掲げていると説明した。

町田栄作氏
デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長 町田栄作氏
Travis Vigil氏
Dell エンタープライズストレージ プロダクトマーケティング エグゼクティブディレクター Travis Vigil氏

 そのコンセプトを具体化したものとして、価格面では昨夏に書き込み重視のシングルレベルセル(SLC)と読み込み重視のマルチレベルセル(MLC)を含むソリッドステート(SSD)の自動階層化に対応した「Compellent All Flashストレージ」を提供、コスト面ではこの3月に高コストパフォーマンスのSANストレージ「Dell Storage SC4020」をそれぞれ提供した。I/O面では、今回のFluid Cache for SANとCompellent All Flashストレージを組み合わせることで実現していくという。

 町田氏は「今回発表するFluid Cache for SANは、2011年買収したRNA Networksの技術をベースに拡張したものだ。Dellの強みの1つは、ストレージからネットワーク、サーバ、あらゆるワークロードに対応したソフトウェアといったようにエンドトゥエンドの技術を提供できることにある」とアピールした。

 米Dellのエンタープライズストレージ プロダクトマーケティング エグゼクティブディレクターのTravis Vigil氏は、Fluid Cache for SANの他社製品にない特徴として「複数サーバでの単一キャシュプールを作成」「リードキャッシュだけでなくライトバックキャッシュに対応」「外付けのストレージとシームレスに統合」の3つを挙げ、「これら3つを1つの製品で備えているのは当社だけだ。これにより500万IOPS以上の性能を提供できるようになった」と説明した。

 “複数サーバでの単一キャッシュプールの作成”とは、デルのサーバやサードパーティ製サーバなど複数のサーバでそれぞれキャッシュを持つのではなく、それら複数のサーバが単一の“キャッシュプール”を利用する仕組み。

 キャッシュプールは、デルのサーバを「キャッシュコントリビュータサーバ(提供サーバ)」として使って作成し、そこで作成されたプールは他社製サーバであっても「キャッシュクライアントサーバ」として利用できるという。その際、PCIeフラッシュや10/40Gb Ethernet(GbE)などを活用することで、データへのアクセス速度を上げ、レイテンシの影響を受けやすいアプリケーションのボトルネックを解消する。

 リードキャッシュだけでなく、ライトバックキャッシュに対応していることも特徴と説明。ライトバックキャッシュは、書き込み時に内部でミラーリングすることで、キャッシュにプールされたデータの高可用性と保護を確実に維持するという。

 “外付けのストレージとシームレスな統合”とは、キャッシュを使ったとしても、スナップショットやレプリケーションといったストレージの機能の一切が損なわれないことを指している。Compellentストレージが持つ「Data Progression」と呼ばれる自動階層化技術も利用できる。デルのインテリジェントなデータ配置の機能をSANからサーバにまで拡張できるという。

 「これら3つの機能を何らトレードオフなく、1つに集約させていることが大きな特徴だ。パフォーマンス、経済性、管理性、信頼性すべてを両立させた」(Vigil氏)

 Storage Center 6.5では、従来と比較して、階層化機能の性能などを向上させた。データブロック単位の圧縮技術を搭載し、より少ないディスクドライブにデータを保管できるようになった。このほか、自動暗号化ドライブ(SED)の採用、マルチVLANタギングなどクラウド環境のサポートを向上させた。

 これら性能向上の指標としては、レスポンスタイムがOracle Databaseのオンライントランザクション処理(OLTP)で最大99%削減(SQL Serverでは最大86%削減)できたことや、1秒あたりのレイテンシがOracle DatabaseのOLTPで3.9倍向上したこと(SQL Serverで2.5倍)、ユーザーあたりのコストが71%削減できたことなどを紹介した。

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