デル、ミッドティアSANストレージ新製品--Compellentの機能で自動階層化

三浦優子

2014-03-19 17:52

 デルは3月19日、ミッドティアのSANストレージの新製品「Dell Storage SC4020」とストレージ事業戦略を発表した。

 デルのストレージ事業は、2013年の国内売り上げが対前年比18%増、iSCSI市場では22四半期連続で首位という調査結果も出るなど好調を続けている。2015年度(2014年2月~2015年1月)は自社テクノロジを融合しSoftware-Definedでデータ運用を自動化できるとともに、「デルが他の分野で実現してきたコストパフォーマンス破壊による“新しい当たり前”をストレージでも実現する」(デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長 町田栄作氏)とストレージでも価格破壊を進める。

町田栄作氏
デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長 町田栄作氏
Alan Atkinson氏
Dell ストレージ担当バイスプレジデント 兼 ジェネラルマネージャー Alan Atkinson氏

 新製品のStorage SC4020はミッドティア向けであり、世界でもミッドティアの需要が大きいアジア太平洋地域から先行発売する。「当社のエンタープライズストレージのアドバンテージをエントリモデルへ実装し、ファイバチャネル(FC)のマーケットを開拓していく」(米Dell ストレージ担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー Alan Atkinson氏)方針だ。

 デルでは2015年度のストレージ戦略として、超高速オールフラッシュストレージの推進、オールフラッシュストレージへの置き換えによる新トレンドの推進、高いコストパフォーマンスというFCストレージ「Compellent」シリーズの推進という3つのポイントを挙げている。

 Compellentは、提供するソフトウェアのライセンスはハードウェアをアップグレードした後でも、引き続き恒久的に利用できるという。競合製品が3年サポートであることが多いが、デルでは5年保守を提供する。ソフトウェアで適切なタイミングで適切な場所にデータを収納することから、データ容量を抑えて保存できるいうビジネス的なメリットがあると説明する。

 技術的にも、最先端のストレージアーキテクチャを搭載し、頻繁にアクセスされる“ホットデータ”はフラッシュに、あまりアクセスされなくなった“コールドデータ”は単価の低いディスクに格納するなどの自動化されたデータの機動性を実現することで、効率性と性能の最大化を図っているという。

 「Dellはわずか8カ月間で9つのストレージ製品をローンチした。業界トップクラスの性能である500万IOPS(1秒あたりの入出力)のハイエンドからエントリモデルまでポートフォリオを構築、モデルを刷新した。今回新たに提供するのは、Compellentの機能を実装したエントリモデルの製品となる」(Atkinson氏)

 新製品のStorage SC4020は、SANストレージ「Dell Storage SC4000」シリーズの第1弾製品となる。Storage SC4000シリーズは、ストレージ環境を自動的に調整して性能を最大化し、コストを節約でき、“オールフラッシュの性能をディスクの価格”で提供するという。

 FCとiSCSIのポートを搭載するStorage SC4020は、Compellentシリーズに搭載されるソフトウェアがベース。2Uの高さで、24ドライブを搭載する。物理容量413Tバイトまで拡張可能で、高性能なSANのエントリポイント、遠隔地や支店間の分散環境で利用するストレージとしての導入などを想定している。

 2U/24ドライブの場合は1台でExchange 2013のユーザーメールボックス1万人分の処理が、2U/12ドライブの場合はミリ秒の遅延時間で12万9000回までのOracle Databaseワークロードを実行できるという。5月からの提供を予定しており、価格などはそのタイミングで発表される。アジア以外の地域での販売は2014年内を予定している。

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