「シャドーIT時代」にIT部門の役割はどう変わるのか - (page 2)

怒賀新也 (編集部)

2014-06-03 14:45

IoTでも求められる管理機能

 この延長上で「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)で扱うセンサやGoogle Glassなどウェアラブル端末のセキュリティ問題の解決も見えてくる」(同)

 新しい種類の端末に対する反応について、日本では慎重論が最初に出やすいが、「米国では、Google Glassなどにもポジティブな反応が多い」とAdams氏は指摘する。Google Glassで言えば、手を使わずに倉庫などで在庫管理が業務が実施できる可能性があるなどの革新性が期待できるなど、しっかりと実用性を見極めているようだ。

シャドーIT時代のIT部門の役割は

 米国のIT企業は、Snowden氏が暴露した国家的な不正データ監視問題について「顧客への説明にかなりの負担を強いられている」(Adams氏)。また、ここまで見てきたように、シャドーITの流れにより、IT部門が企業全体でのIT活用実態を把握しきれないといった問題も出てきている。

 だが、端末管理ツールなどの機能は改善してきている。これに伴い「企業のIT部門の役割が変化してきている。従来は“コントロール”が主な仕事で、社員のエンドポイントを代わりに実施するのが仕事だったが、今後その部分はエンドユーザーが自らできるようになる。IT部門の役割は“Enabling”(実現の支援)に移る」(同)という。

 さらにAdams氏は「Appleは、ITという枠組みをユーザーが選択できる世界へと変えた。これからIT部門は、エンドユーザーが選択できる環境を提供しながら、それが機能するための仕組みを提供する役割を担う存在へと移っていくだろう」と指摘した。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

マイナンバーカードの利用状況を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]