IoTでも求められる管理機能
この延長上で「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)で扱うセンサやGoogle Glassなどウェアラブル端末のセキュリティ問題の解決も見えてくる」(同)
新しい種類の端末に対する反応について、日本では慎重論が最初に出やすいが、「米国では、Google Glassなどにもポジティブな反応が多い」とAdams氏は指摘する。Google Glassで言えば、手を使わずに倉庫などで在庫管理が業務が実施できる可能性があるなどの革新性が期待できるなど、しっかりと実用性を見極めているようだ。
シャドーIT時代のIT部門の役割は
米国のIT企業は、Snowden氏が暴露した国家的な不正データ監視問題について「顧客への説明にかなりの負担を強いられている」(Adams氏)。また、ここまで見てきたように、シャドーITの流れにより、IT部門が企業全体でのIT活用実態を把握しきれないといった問題も出てきている。
だが、端末管理ツールなどの機能は改善してきている。これに伴い「企業のIT部門の役割が変化してきている。従来は“コントロール”が主な仕事で、社員のエンドポイントを代わりに実施するのが仕事だったが、今後その部分はエンドユーザーが自らできるようになる。IT部門の役割は“Enabling”(実現の支援)に移る」(同)という。
さらにAdams氏は「Appleは、ITという枠組みをユーザーが選択できる世界へと変えた。これからIT部門は、エンドユーザーが選択できる環境を提供しながら、それが機能するための仕組みを提供する役割を担う存在へと移っていくだろう」と指摘した。