4.心臓の鼓動を電力に
ペースメーカーや医療用の電気刺激装置を付けている人は、バッテリが切れると手術が必要だが、これもいつか変わる日がくるかもしれない。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のあるチームは、体の動きそのものを使って埋め込み式医療機器を充電するパッチを作り出した。開発責任者のJohn Rogers氏によれば、これはサランラップよりも柔軟性の高いプラスチックの中に封入された金属製のナノリボンだ。このデバイスが動く組織の中で曲がると、最大8ボルトまでの電気を発生させる(すでに家畜で試験されている)。
5.歩いて充電
すでに体内のエネルギーについては触れたが、体の動きもやはり電力に変換することができる。ニューヨーク市のリバーデールカントリー校は、米国で初めて動力学的なエネルギーを、圧電的にではなく、機械的なシステムを通じて電気に転換するタイルを採用した学校だ。このタイルは、エネルギーの量を表示するLEDボードに接続されており、生徒の歩行からのエネルギーだけでスマートフォン充電ステーションに電源を供給している。英国に本拠を置く企業Pavegenがこのタイルの開発を支援した。このタイルは屋内・屋外のどちらでも利用できるが、交通機関のハブや学校など、歩行者の数が多いところでの利用に適している。
Pavegenタイルの上を歩く英国のサイモンラングトン校の生徒。
提供:Pavegen
6.グリッドベースの電力網制御
電力グリッドインフラソリューションのリーディング企業であるGridco Systemsは、最近になって最初の製品群を発売した。「emPower Solution」は、ポールに装着されたデバイスと地中のデバイス(25年の寿命を持つ)、および各家庭や建物への電力の流れを監視するバックエンドソフトウェアを使用している。マサチューセッツ州に本拠を置くこの新興企業は、投資家から4年間で3000万ドルの資金を調達した。Gridcoによれば、このソリューションは公益会社や企業がグリッドのグリッドの境界部で電力を細かくコントロールするのに役立つとともに、風力発電ファームや太陽光発電ファームやプラントなど、電力供給が1日を通じて不安定な発電施設でも一貫性のあるフローを維持できるという。
7.メタンの液体燃料への変換
人間、動物、ゴミ捨て場、廃水処理場などは、多くのメタンを大気に放出しているが、有意義な使い方はされていない。畜牛やゴミの山からのメタンの収集は、社会的に認知され、可能になってきているが、メタンガスの輸送は高価で、収集プロセスにもエネルギーを必要とする。バークレーの研究者は、自然界に存在するバクテリアを利用して、メタンを輸送しやすい燃料により効率的に転換する酵素を開発している。