編集部からのお知らせ
「サイバー防衛」動向の記事まとめ
「半導体動向」記事まとめ

チャットボット「Eugene Goostman」、チューリングテストに合格--33%の審査員をだます

Jack Schofield (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部

2014-06-10 13:18

 ロンドンの英国王立協会で現地時間6月7日に実施されたチューリングテストにおいて、13歳のウクライナ少年のふりをする「Eugene Goostman」という名前のコンピュータプログラムが、5分間のテキストによるチャットで33%の審査員によって人間だと判断された。このテストは、コンピュータ科学者Alan Turing氏が1950年に考案したものであり、今回の競技イベントは同氏の没後60年を記念して開催された。

 審査員には、英TV番組「宇宙船レッド・ドワーフ号」でアンドロイドのクライテンを演じたRobert Llewellyn氏や、2013年におけるTuring氏の死後恩赦のきっかけとなるキャンペーンを率いたSharkey卿が含まれていた。Llewellyn氏はTwitterに「チューリングテストには目を見張らされた。2つの画面の1つには人間が、もう1つにはマシンが割り当てられた5分間でセッションを10回行った。わたしは4回、正解した。小さな賢いロボットだ」とツイートした。参加した人工知能(AI)プログラムは5つであったため、Llewellyn氏はGoostmanにだまされていたはずだ。


 レディング大学の客員教授であり、2012年と今回のテストの双方を企画したKevin Warwick氏によると、チャットボットがあらかじめ用意された話題や質問ではなく、自由形式の会話テストに合格したのは今回が初めてだという。

プログラム開発者の1人であるVladimir Veselov氏
プログラム開発者の1人であるVladimir Veselov氏
提供:University of Reading

 Eugene Goostmanの成功の鍵は、その人物像を何でも知っているわけではなく、文法上の、あるいは言葉遣いのちょっとした間違いをおかしても仕方がない13歳のオデッサ出身の少年に設定したというところにある。同プログラムの開発者の1人であるVladimir Veselov氏は「われわれは、信ぴょう性の高い人格を作り上げるために多くの時間を費やした」と述べた。

 架空の少年であるEugeneは婦人科医の父親を持ち、ペットとしてモルモット(Guinea pig)を飼っているという。Eugeneは「ぼくのお母さんはいつも、『この汚い豚は、名前に"Guinea"(英国の旧通貨単位)がついているにもかかわらず、ただのブタでしかない』と大声で言っていて、誰でもいいから僕の友達に、誕生日プレゼントとしてあげてしまってほしいと思っている」と語る。Princeton AIのウェブサイトにアクセスすれば、Eugeneとオンラインでチャットできる

 2010年にペンシルバニア州のフィラデルフィアで開催されたChatbots 3.0カンファレンスのプレゼンテーションにおいて、Veselov氏はチャットボットの開発が同氏の趣味であり、同プログラムで最も重要な機能の1つが「タイプミスの修正」であると述べていた。Goostmanはスペルの間違いやタイプミスに遭遇しても、人間やGoogle検索のように意味を理解しようと努めるようになっている。こういった誤りは一般的に、人間よりもコンピュータにとってずっと大きな障壁となるのだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 開発

    なぜ、コンテナー技術を使うことで、ビジネスチャンスを逃さないアプリ開発が可能になるのか?

  2. セキュリティ

    2022年、セキュリティトレンドと最新テクノロジーについて、リーダーが知っておくべきこと

  3. ビジネスアプリケーション

    全国1,800人のアンケートから見えてきた、日本企業におけるデータ活用の現実と課題に迫る

  4. 運用管理

    データドリブン企業への変革を支える4要素と「AI・データ活用の民主化」に欠かせないテクノロジー

  5. 経営

    テレワーク化が浮き彫りにしたリソース管理の重要性、JALのPCセットアップを支えたソフトウエア

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]