中京銀、1500台のPCを2カ月でWindows 7に移行--IE6は仮想化ソフトで対応

NO BUDGET

2014-06-24 18:19

 中京銀行は「Windows XP」サポート終了を受けて、全行で使用していた1500台のクライアントPCを刷新、4月から「Windows 7」を搭載した新PCで業務をこなしている。既存アプリケーションからの移行も含め、プロジェクトは2013年10月末から開始、3月末までに全拠点90カ所への展開を完了し、当初のスケジュール通りに完了したという。移行作業を支援した双日システムズ、日本電通、日本IBMが6月23日に発表した。

 同行では、Windows XPのサポート終了に伴ってクライアント環境のあり方を検討した結果、アプリケーションの仮想化と「Internet Explorer(IE)」の互換ブラウザで既存アプリケーションの延命を図るとともに、新PCとして現行PCの後継機種である「Lenovo ThinkPad Edge E530c」を採用することにした。

 具体的には、今回の移行対象となった約30システムのうち、Windows 7上でそのまま稼働しない5つのシステムに対して、「VMware ThinApp」でアプリケーションを仮想化することで、アプリケーション自体を改修せずにWindows 7環境へ移行させている。その結果、アプリケーションの改修対応にかかるコストを約50%削減するとともに対応期間を短縮化できたという。

 IE6で稼働する既存アプリケーションの仮想化では、ThinAppで直接IE6を取り込んだ場合、Windows 7上で2つのバージョンのIEが稼働することになり、「単一のWindows上で複数バージョンのIEの実行をサポートしない」というMicrosoftのライセンス規約に抵触することになるが、双日システムズのIE互換ブラウザ「thinforie」を採用することで、この問題を回避している。

 中京銀行の本店と営業店の全90拠点への1500台のクライアントPC展開には、「IBMプラットフォーム導入支援サービス(PIDS)」を利用し、同行でのPC展開で実績のある日本電通と協業し、当初のスケジュール通り、約2カ月で拠点展開を終えた。これまで通りの操作性を維持しながら、短期間かつ低コストでの移行と安定稼働を実現したと説明している。

 中京銀行は、今回の対応でXPのサポート終了に伴うアプリケーション改修から開放され、今後は本来の銀行業務の機能やサービス向上に伴うアプリケーション改修に専念していく。

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