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三国大洋のスクラップブック

アップルのティム・クックCEOが目指すは「運動部のヘッドコーチ」

三国大洋

2014-07-23 07:30

 「Tim Cook(AppleのCEO=最高経営責任者)はスポーツチームのヘッドコーチを目指しているのではないか」――。

 最近になってそんなアナロジーを思いついた。

 「すぐに仕事に役立つ」たぐいの話ではないので「人様にお見せするのもはばかられる」思いもするが、これがどこまで説得力のあるアナロジーかというのを知りたいという誘惑に勝てず、ちょっとまとめてみた次第。そうしたことで、さっそく本題に入る。


Apple - iPhone 5s - TV Ad - Strength
(日本のテレビでもau iPhoneのCMとして流れ始めている)

「新しいApple」を印象づける一連の動き

 今年の春頃から「Apple が大きく変わった(?)」との印象を受けるニュースが相次いでいる。5月末のBeats買収(前編後編)、その直後の年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」発表、そして先週あったIBMとの提携と、大きな話題になる何かしらの動きが毎月のように続いている。

 それぞれの重要性の高さ、あるいはインパクトの大きさといった点に関する受け止め方は、人によってまちまちだと思う。また、それら以外にもたとえば、従来の路線とは大きく印象の異なるテレビコマーシャル(上掲)のことを思い浮かべる人もいるかもしれない。

 なぜ、このタイミングで一連の動きが生じてきたのか。この問いに対する「一番ありえそうな答え」は、「Steve Jobsが亡くなるまでにあったロードマップ上の項目を2年半あまりかかってやっと消化し終わった」いう可能性かもしれない。

 「Appleのために自分が正しいと思ったことをすればいい」。そんな風にJobsがCookに言い残したという話をかすかに覚えている筆者には「なんとまあ律儀なこと」と思えもする。

 もちろん、もっと別の捉え方――「使っても使い切れないほどの利益が四半期ごとに沸き出ているような今のAppleで、そういう集金マシーン(Money Machine)が曲がりなりにも機能し続けているのだから、慌てて新しいことに手を出すこともなかろう」といった突き放した受け止め方があっても不思議はない。

 もっともウォール街(投資家筋)の連中――Jobsのトルクが残っていた2012年半ばころまでの「右肩上がりのApple株価」にすっかり慣れてしまっていた連中には、どうやらこの辺りのことがうまく伝わらず、そのせいで、この春先までの1年半あまりの間は、Appleに対する風当たりも強かった(各所で繰り返し報じられていた通り)。

 Cookの方でも「これからもAppleは最高のものをつくっていく」云々としか口にせず、あえて、そのたぐいの批判をかわそうとしなかった節も見受けられる(大規模な自社株買いと株主配当引き上げを別にすれば…。この点は別の機会に考察する)。

 少し前に話題になっていたSatya Nadella(Microsoft CEO)の社員向けメモ――「Microsoftはこれからは“Productivity and Platform in the mobile-fist, cloud-first world”でいく」と宣言した例のメモの存在を比べてみると、この辺りの違いがはっきり感じ取れる気もする。

 いずれにしても、このところの一連の動きでCookが「Steve Jobsというドグマ」にとらわれない柔軟さを持ち合わせたリーダーであることが、一層浮き彫りになってきた。2012年春頃に感じ取られた「兆候」が具体的な形に変化してきたとも感じられる。

「天才」Jobsの限界とAppleの限界

 Cookのリーダーシップのスタイルを推測する上で役立つヒントになると思われるのが、Jobs時代のAppleの「実質的な組織図」――Jobsを中心にして、さまざなま幹部の名前が並んだ例の「ハブ&スポーク型」の図(出ていたのは、2011年5月のFortuneの記事だったと思う)。

How Apple works: Inside the world's biggest startup--Fortune

 「世界で一番大きなスタートアップ(ベンチャー企業)」というフレーズがうまく言い表している通り、この形は復活から成長課程にかけてのAppleでうまく機能した。

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